2017年05月22日

安倍首相とトランプの握手を長引かせた、日本人が苦手な文型

かなり古いネタになってしまいますが・・・

今はサウジ訪問中のトランプ、安倍首相に会った時にやたらと握手が長く続いたことが話題になりましたよね。



実は、必要以上に長くなったのには、安倍首相にも原因があったのです。

ここにあるビデオの0:30頃、握手をしている二人に向かって日本の報道陣から「こちらもお願いしまーす」と日本語で声がかかります。
訳が分からないトランプ氏は、笑いながら"What are they saying?"と安倍首相に質問。
これに対する安倍首相の答えが、
"Please...look at me."
だったのです。
当然ながら、トランプは安倍の顔を数秒間マジマジとみつめました。
誤解に気付いた安倍首相が、握手をしたままカメラの方を指差して、トランプをカメラに向かわせることによってようやく撮影が終わったのです。

日本語であれば、
カメラマン:「こちらもお願いしまーす!」
トランプ:「今、何て言ってるの?」
安倍:「こちらをお願いします(、と言っています)」
で問題なく分かるのに、英語では通用しないのですよね。

では、このような場面で、安倍首相は何と言えば良かったのでしょうか?

ここで使われるべきなのが、"reported speech"(間接話法)なのです。

カメラマン→トランプ&安倍
"Please look at me."
であれば、
安倍→トランプ
"He asked us to look at him."
にしなければならないのです。

つまり、英語の場合には
1.「誰が」「誰に対して」言ったのかを明確にしなければならない
2. 原文の対象と報告者の関係性によって目的語が変わることがある(上記の例では「私」から「彼」)
という2つのポイントを押えなければなりません。

実は、英語ネイティブの子供は、小さい頃からこの転換に慣れています。
母:"Tie your shoelaces." (靴ひもを結びなさい)
(反応無し)
母:"What did I tell you?" (今、何て言った?)
子:"You told me to tie my shoelaces."

日本語ではこのような転換が全く必要無いので、これをちゃんと使いこなすためには色々と置き換えて慣れるしかありません。

そこで練習問題です!

平叙文や疑問文だと、時制の転換なども入ってきてややこしくなるので、今回は一番簡単な命令文のみ取り上げました。

基本は、
普通の命令文は、"X told Y to..."
この握手の場面のように冒頭に"Please"がある場合は"X asked Y to..."
という形になります。

I. 自分→自分の子供に対する以下の内容を、他の人に報告すると想定して転換してみましょう。
1. "Brush your teeth."
2. "Finish your breakfast."
3. "Go to bed."
4. "Do your homework."
5. "Please be quiet."
6. "Don't cry."
7. "Please don't sit on my laptop."
子供が女の子の場合と男の子の場合、さらに相手が二人以上の場合によって、それぞれ違う文を作らなければなりませんね。

II. 取引先の訪日中の交渉・接待について上司から受けた指示を、その取引先の方に報告すると想定してみましょう。
1. "Give them a 20% discount."
2. "Please make sure they're comfortable during their stay here in Tokyo."
3. "Don't discuss any details until their CEO arrives."
4. "Don't let them pay for dinner."
5. "Call me as soon as they check in at the hotel."

いかがでしたか?

慣れるまではちょっと大変ですが、使いこなせるようになればビジネスの場でも大活躍の文法なので、是非マスターしてください!

平叙文・疑問文については、また今度取り上げます。




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2007年05月25日

趣旨(2)

学校英語特有の問題で、能動態(active voice)の文を受動態(passive voice)の文に機械的に変換するのと同じくらい無意味に思えるのが、よく中学英語の参考書にあるらしい、第三文型の文を第四文型の文に変換せよ、という類の作業です。

(ここまで読んで「?」という状態の方は、「文型」という言葉を無視して例だけ見てください。5文型の区別などを気にしなくても以下の議論は理解できるはずです)

このような言い方をしてしまうと、中学・高校で熱心に英語を教えていらっしゃる先生方には怒られてしまうかもしれません。

でも第三文型(e.g. I gave the pen to Bill.)を使うことと、第四文型(e.g. I gave Bill the pen.)を使うことに、意味上にどんなニュアンスの違いが生じるのか、ということを全く考えずに、機械的に文を変換するだけである場合、ちょっと首を傾げたくなってしまうような文ができてしまったりします。

例えば、前述の単純な例ですが、
I gave the pen to Bill. (私はそのペンをビルにやった)
I gave Bill the pen.(私はビルにそのペンをやった)


これは、いずれも日本語の訳を見てもおかしくないですよね。ただ、前者は「ペン」というモノを強調してあり、後者は「ビル」という人を強調しているだけです。

では、以下のような場合はどうでしょう。

彼女は私に嘘を言った。


逆の日本語(i.e. 彼女は嘘を私に言った)を普通、使いますか?
なんとなく使わないような気がするのは、私だけでしょうか。
少なくとも個人的には、「嘘」という名詞を用いて「嘘を言う」という行為自体が、その嘘を言った相手を前面に押し出すことを要求している、という感覚がなんとなくあるのです。

ですから、前者に該当する
She told me a lie.
は、何の問題もありませんが、
She told a lie to me.
は、不自然さを感じるのです。それならいっそ、「嘘をつく」という動詞を用いて、
She lied to me.
にしてしまった方が良いのではないか、と。

機械的な文の変換に慣れてしまうと、このような感覚が失われてしまうような気がするのです。

少なくとも、第三文型・第四文型という紛らわしい言い方をせずに、「以下の文を、行為の対象となる人を前面に押し出すように書き換えよ」「以下の文を、行為の対象となるモノを強調するように書き換えよ」「以下の文を、なるべく代名詞を多く用いて書き換えよ」というような問題文を作った方が、よほど「使える英語」に近づけるのではないでしょうか。

以上、独り言でした。
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2006年11月28日

趣旨

最近、時々出没している『知恵蔵』で、面白い質問?を発見し、思わず長々と答えを書いてしまいました。

内容は、中学レベルの文法の復習で能動態(active voice)から受動態(passive voice)への文の変換と、受動態から能動態への文の変換をやっていたところ、後者の方が難しく感じられた、というものでした。質問というより感想に近く、書いた本人が果たして答えを求めていたのかどうかも分からなかったのですが、最近の私の問題意識と符合するものがあり、回答内容をこちらでも発表したくなりました。

実はこの話を読んで始めは少しびっくりしてしまいました。
あまり意味を考えずに、ただ機械的に文を変換していただけなのか、と思わせるような内容だったからです。

でも、こういう「書き換えろ」という形の問題ばかり並べた問題集というのも、結構たくさんあるみたいですね。

本当はそのように文を書き換える練習をしても、頭の体操以外の何の役にも立たないような気がします。
そこには、なぜあえて例外である受動態を使うことに意味があるのか、このシチュエーションでははたして能動態と受動態のどっちが良いのか、という問題意識がすっかり欠けているからです。この問題意識なくして、これらの二つを適切に使い分けることはできません。

実はネイティブ向きのライティングの教科書には、(少なくとも私が見た限りでは)いずれも「なるべく能動態を使え」と書いてあります。受動態を使うのは、本当に受動態を使うことに意味がある場合に限定すべきだ、と。
もっともです。能動態の文の方がはるかに分かりやすいことが多いからです。

では、どのような場合に「あえて」「例外である」受動態を使う意味があるのでしょうか。

英語は、以前にも書いたとおり、SとVの言語です。
ということは、常に「誰が」「何をしたのか」ということをはっきりさせなければなりません。
しかし、時として「誰が」やったのかが重要でなかったり、不明瞭だったり、「誰が」やったのかを前面に出したくないときがあります。

例えば、死刑が執行された場合など、行為の主体が死刑執行人なのか、法務大臣なのか、制度全体なのかが良く分からなかったりします。だから「彼女は処刑された」(She was executed.)にした方が良いのです。
オリンピックの開催も似ています。一応はIOC主導ということなのでしょうが、実際の開催時期に近づくとIOCよりも開催都市が前面に出て活躍していて、なんとなく分かりにくいです。ですから "Beijing will host the Olympics" とする一方で、"The Olympics will be held in Beijing." と一般的にされるのです。

また、会社がボーナスをカットした場合や、工場を閉鎖した場合を考えてください。「取締役会がボーナスをカットした」(The Board of Directors cut bonuses by 10% this year,)よりも「ボーナスがカットされた」(Bonuses were cut 10% this year,)にした方がなんとなく聞こえが良いですよね?少なくとも、前者の文に比べて、取締役会に対する非難の声が弱まるような気がします。

逆に、日本語では普通受身的な表現がなされる場面であっても、行為者が明らかな場合には英語では能動態を使うのが一般的だったりします。
門限を破った日本の高校生が「ヤバイ。親に殺される」と言うのに対し、アメリカ人の高校生であればストレートに "My parents are going to kill me," ですからね。(I am going to be killed by my parentsにする必然性は全く無いのです)

以上のように、もし本当に受動態を使うのに意味があるような文章であれば、能動態に変換したときに何を主語にすれば良いのかが良く分からない、ということが多いでしょう。
簡単に能動態に変換しなおすことができるような文であれば、はじめから受動態などにしなければ良いのですから。(もちろん例外はあります)

このように、この構文を使うことには一体どんな利点があるのだろうか、という問題意識を持って文法に取り組めば、決してつまらなくは無いはずです。

ただ文の形を変えるだけなら、簡単な構文解析機能を備えたコンピュータ・プログラムにだってできてしまいます。
でも文法は「目的」から「手段」に変わって、始めて本当に使い物になるのです。

そのためにも、「文を変換する」などの課題に直面したときには「これによって何が変わるのだろうか」とちょっと立ち止まって考えてみる余裕を持つことが大事です。一度考えておけば、いざ自分で作文しなければならない、というときに、どの構文が一番適切に自分の気持ちを伝えてくれるかの見分けがつくからです。

本当はこのような考え方を中学・高校の段階からできるようになると良いのですが、どちらかというとあまり文の適性も考えずに「変換しろ」とする問題集が多いのでしょうね。
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2006年07月15日

The Uncountables

最近、発言していた掲示板で、「"You've Got A Mail" がおかしい英語であると言っても、そもそも mail が不可算であるのは歴史的偶然に過ぎないではないか」、という指摘を受けました。

ある意味歴史的偶然という要素もありうるとは思いますが、別にだからといって「分からない!分からなくて良い!」と投げ出してしまう必要はないと思います。

そこで今日は多くの人が苦労されているだろう、可算名詞(countable nouns)と不可算名詞(uncountable nouns)の区別について私なりの考えを述べて行きたいと思います。

そもそも不可算名詞がなぜ不可算であるかといえば、「数えられない」もしくは「数える意味が無い」からです。

ざっと以下のように分類できるでしょう。

1.「愛」(love)のように高度に抽象化された、とらえどころのない概念。「愛一つ」というよりは、「たくさん」「少ない」という量で量ることに意味があるものです。
ただし、「愛する人」「愛する対象」を意味するときには "one love, two loves" と数えることができます。
I'm not surprised that they broke up; she didn't have much love for him anyway.
She has two loves in her life: her cat and her piano.

2. 「水」(water)「コーヒー」(coffee)「米」(rice)のように具体性はあるが、数える意味が無い、もしくは様々な単位がありうる("a mouthful of coffee; a cup of coffee; a pot of coffee; a gallon of coffee")ために不可算であるとみなされるもの。
ただし、レストランなどに行った場合には出てくる水の単位が決まっているので、「お水一つ」(a water)「コーヒー一つ」(a coffee)と言うことができます。

食べ物の時の注意です。「丸々一個」を指すのでない限り、食べ物は大抵不可算になります。例えば "a chicken と言えば鶏が丸々一羽、ということになりますし、"a pizza" も丸い状態のピザ一枚です。
I roasted a chicken yesterday.
I had some chicken (two drumsticks) for lunch today.
I baked a cake yesterday.
I had some cake (a slice of cake) for dessert today.

3. 「家具」(furniture)「荷物」(luggage)など様々な大きさや形態のもの(下位概念)を含む上位概念ため、不可算の扱いを受けるもの。これが一番難しいかもしれません。日本語では「家具一つ」と言えるからです。

でも英語スピーカーにすれば、巨大なキングサイズ・ベッドと小さな椅子を並べて、「ほらどうだ、家具二つだ」と言うことには違和感を感じるのです。だからどうしても数えたいときには "three pieces of furniture; three pieces of luggage" のように、「『家具』という概念に属するものが三つ」のような表現をします。"mail" (郵便物)も同じです。絵葉書2枚と封書1通、小包1個を並べて、「ほら、同じようなものが4つ並んでいる」とネイティブ・スピーカーには言えないのです。
(ちなみに、"e-mail" なら countable です)

ここで問題になるのが、"vegetables" などの例外です。複数形で"s"が付くものは、この原則では不可算になるはずであっても、加算名詞の扱いを受けてしまうのです。これが歴史的偶然、と言えるのかもしれません。

ただ、様々な下位概念を統括する上位概念であれば、日本語では数えられても英語では数えられないことが多い、ということを覚えておいただけで、大分楽になると思います。


最後におまけで、加算である場合と、不可算である場合とで意味が異なる単語をいくつか紹介します。

work(仕事)/  a work(作品)
hair(髪・まとまった量の毛)/  a hair(毛一本・まばらな毛)
toast(トースト)/  a toast(乾杯の音頭)

他にも思いつく例がありましたら、是非コメントでリストに追加してください。お待ちしております m(_ _)m
posted by EnglishMaster at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月30日

ネイティブのように辞書を引こう!

皆さんはどんな時に辞書を引きますか?

レッスンの予習でテキストの中の新出単語の意味を調べておくときでしょうか。
それともレッスンの予習段階(もしくは休み時間)で、次のレッスンで自分で使いたい単語を調べるためでしょうか。

もし、前者のみであれば危険信号です。学習が受身一本になりつつある兆候です。
(第一、新出単語であれば原則としてレッスン中に先生に聞くのが一番です。英和辞典は先生の説明に納得が行かない場合のバックアップと考えるべきでしょう)
でも、後者の引き方ができていれば、そしてさらに自分が発言するためだけでなく、質問をするために辞書を引けていたら、それは本物の「使える英語」への軌道に乗っていると考えて良いと思います。

さて、このように自分が「使うため」に辞書を引くとき、皆さんはどんな辞書を使っているのでしょうか。

電子辞書?紙の辞書?中辞典?大辞典?
和英辞典?英和辞典?英英辞典?

なぜこのような質問をするかというと、最近立て続けに "comfortable" に関連して似たような間違いに出くわしたからです。

I think skydiving is comfortable.
I was uncomfortable because the flight attendant practically ignored me on the plane.

(ここでは便宜上、オリジナルの発言を少し変えてあります)
それぞれレベルも全く違う生徒さんですが、同質の間違いを犯しており、同様の間違いを本当によく耳にするのでここで掲載させていただきました。
それは comfortable → 気持ち良い、uncomfortable→ 不快
ということを前提に、それなら気持ち良い→comfortable、不快→uncomfortable だろう、と考えてしまっているところにあります。

これはちょうど、前回の「使役色々」で指摘した "make s.o. do s.t." は確かに「〜させる」になるが、「〜させる」が必ずしも "make s.o. do s.t." に対応するわけではない、という話と同じですよね。

つまり、くどいようですが、逆は必ずしも真ならず、なのです。

では、どうすればこのような間違いを回避できるのかというと、まずはとりあえず使ってみて、直されて、反省するのも手です。
生徒さんの中には「○○と○○はどう違うのか」「どうしてこの言葉ではいけないのか」「イメージが湧かないのでもっと例文を出して欲しい」と徹底的に聞いてくる方もいますが、それはそれですごく良い勉強法だと思います。

ただ、世の中丁寧に直して解説してくれる先生ばかりとも限りません。そして「生き字引」に頼れないときでも、ビジネスの場などでは恥をかきたくないものですよね。

そこで勧めたいのが、「ネイティブのような辞書活用法」です。

つまり、英英辞典を引くのです。

皆さんが国語辞典を引く場合を思い出してみてください。
ただ意味が分からない場合なら定義を読んで終わりかもしれませんが、「二つの言葉のうち、どちらの方が適切か」を悩む場合、また「この言葉はどう使えば良いのか」と少し不安な場合などではとりあえず例文に一通り目を通して、その言葉のイメージをつかみますよね?
それを英英辞書でもやればいいだけのことです。

(先ほどの、 "comfortable" を用いた例文ですが、なぜおかしいのかが分からなかった場合、もし手元に英英辞典があるのであれば、是非 comfortable と uncomfortable を引いてみましょう。そして実際に辞書に載っている例文を参照しながら自分でも例文を作ってみれば、自信を持って使いこなせるようにると思います)


でも、このような使い方をするとなると、やはり一口に英英辞典といってもそれなりに例文が揃っているものが良いですよね。
最低でも中辞典レベルの大きさは欲しいものです。

そこでオススメなのが電子辞書。
通常は和英辞書で引いた単語からボタン一つで同じ単語を別な辞典で引ける「ジャンプ機能」なるものがついているため、とても便利です。
私が持ち歩いている電子辞書には Longman's が入っていますが、専門用語があまり無い点を除けば、まあ十分かな、という気がします。
(ちなみに、バリバリの専門用語であれば、「逆も大抵真」なので、むしろ楽だったりします)


でもやっぱり電子辞書は高いし、持ち歩く必要はないや、と思うのであれば、オンラインの英英辞書がオススメです。

とりあえず、私が電子辞書のバックアップとして使っているものだけ紹介しましょう。

オックスフォード現代英英辞典(Oxford Advanced Learner's Dictionary)

Merriam-Webster Online Dictionary

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前者は Oxford English Dictionary と同じ出版元で、学習者向けに編纂されたものであり、イギリス英語もアメリカ英語も両方載っています。最近は電子辞書にも数多く搭載されていますよね。
これは無料で利用でき、例文もなかなか良いのですが、やはり専門用語が少なめですね。

後者は、アメリカ英語の権威である Merriam-Webster で、学習者向き中辞典の Collegiate 版と大辞典の Unabridged 版があります。
いずれも14日間の無料トライアル期間があるみたいですが、個人ユーザだと試用期間経過後は Collegiate 版で年$15、Unabridged 版で年$30(これでCollegiate も利用可)かかります。
なお、机の上に紙の辞典を置いておきたくて、本屋さんで辞典を購入すれば、最初の一年間は無料になります。

もっと良いのを知っている、という方がいらっしゃったら、是非コメントで紹介してくださいね。

愛用の辞書についてさらに一言
posted by EnglishMaster at 23:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

使役色々

ついでに広告ネタをもう一つ。
最近文法についてほとんど書いていなかったのですが、格好の題材があったので、これも賞味期限が切れてしまう前に、と思ったのです。

また『100人、100色』シリーズからの出典です。

春は英会話も、パッと咲かせたいね。

It's spring---don't you want to make your English skills burst into bloom?


これを見てあれ?と思わなかったのであれば、危険信号です。
おそらくこの英文の作成者同様、使役=make、となんの疑問も無く考えていたのでしょう。

しかし、それでは誤解を招く、あるいは相手に不快な思いをさせる危険さえ孕んでいます。

とりあえず、make を使った例文をいくつか紹介しましょう。

My mother made me practice the piano for two hours yesterday.
(母は昨日、[嫌がる]私にピアノを二時間も練習させた)
My boss wasn't satisfied with the report---he made me rewrite it twice!
(報告書に不満を示した上司は、[そんなことに意味を見出せない]私にそれを二度も書き直させたんだよ!)
I made myself study for another hour before going to bed.
(私は[もうやりたくなかったが]寝る前にもう一時間勉強することを自分に課した)

ここで、気付いて欲しいのは、以上の三つの例ではいずれも「母」、「上司」、「私」など、「私」に対する「強制力」を持っている人たちが主語になっていることです。
[]で補充したのは、"make s.o. do s.t." を使うことによって想像されるニュアンスですが、いずれの例でも"make" をより強い「無理やり」を意味する使役 ("force s.o. to do s.t.") に代替可能であり、そうすると「嫌々ながら」というニュアンスが前面に出てきます。
I forced myself to study, のように。

なので、間違っても「三日以内に、秘書に連絡をさせます」と言うつもりで "I will make my secretary contact you within three days," などと言ってはいけません。
そのような台詞を聞いた相手は「こいつはなんて傲慢で嫌な奴なんだろう」と思ってしまいます。
同じ使役でも "I will have my secretary contact you," (秘書に[頼んで]連絡させます)の方がはるかに穏やかで好印象ですね。

さて、"make" は必ず強制力を伴うか、というと、必ずしもそうではありません。
以下のような例もあります。

Can't you make the car go faster?
(この車、もっとスピードを出せないの?)
What's my type? Well, of course I want someone who can make me laugh!
(好みのタイプ?うーん、もちろん笑わせてくれる人が良いな)

最初の例では客体が車なので、何かを強制する、というのはおかしいですよね。
また、二番目の例でも決して「強制的に」笑わせてくれる人を好みのタイプとして挙げているわけではありません。(当然ですが)

ただ、両者に共通して言えることは、客体が主語の思いのままになる、という点です。
アクセルを踏めば車は(限界はあるものの)スピードアップします。また、冗談が上手い、もしくはぴったりと波長が合っている相手なら、こちらが笑うつもりがなくても(これが重要なポイント!)笑ってしまいます。

つまり、"make" を使うことは、究極的には客体の主体性を無視して、主語の意のままに操ることを意味するのです。

The movie was so sad, it made me cry.

でも、客体「私」の主体性は押し殺されています。あまりにも悲しい話だったため、泣かざるを得なかった、と言いたいのですから。

大分回り道(detour)をしてしまいましたが、最初の「英語力を咲かせる」に戻りましょう。

以上を総合して考えると、植物に "make" を使うのはおかしいですよね。植物を意のままに操ることは不可能なのですから。桜を例年より早く咲かせようと思っても、まったく無駄です。

なので、「咲く」という動詞を使う場合は、原則として"make" は使えません。
唯一の例外は、魔法を使えるときでしょうか。

She made the flowers burst into bloom with a wave of her wand.
(彼女は杖を一振りして花をパッと咲かせた)

のように。(まるでハリー・ポッターの世界ですが)

また、英語力の向上も残念ながら意のままにはなりませんよね?そういった意味では「咲かせる」とは非常に的を得た言葉だと思います。

では、意のままにならない相手に対してはどうするのか。なんとか思う通りの結果を出すように「仕向ける」しかありません。この場合には "get s.o. to do s.t." を使うのが一番です。

I don't know how she manages to get the orchids to bloom year after year.
(彼女は一体どうやって蘭を毎年のように咲かせているのだろう)

冒頭の広告の英語をもっと適切な表現に変えるのなら
Don't you want to get your English skills to blossom?
などが良いかもしれません。

ちなみに、
Do I make my students do their homework?
ですって?

いえいえ、相手は大人ですから、あくまでも自主性を尊重し、
I try to get them to do their homework,
に過ぎません (^^;
posted by EnglishMaster at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月09日

完了形の魅力

今朝、レッスンで生徒さんにいきなり「日本語を使っても良いですか?」と聞かれたのでびっくりしてしまいました。
聞くと、過去形(simple past)と過去完了(past perfect)の違いがどうしても分からない、と言うのです。

幸い、墓穴を掘らずに簡潔に説明を済ませることができて、「日本人の先生で良かった」と感謝されたのですが、実は説明よりもそのときに挙げた例文が良かったのかもしれません。

というのも、テキストに載っていた例文にはあまり過去完了を使う意味がなかったからです。言い換えれば、その生徒さんが指摘されたとおり、別に過去形の節を二つ並べてもあまりニュアンスが変わらないものだったのです。

では過去完了はいつ使うべきなのか、というと、過去における二つのできごと前後関係を指摘した上で、@「すでに(already)〜していた」A「まだ〜していなかった(not 〜 yet)」などのニュアンスを強調したいときや、Bその二つのできごとの間の時間的経過を説明したいときです。

例えば、若干公序良俗に反する例ですが、すでに空っぽになっていた金庫をやっとの思いでこじあけた泥棒を考えてください。
過去形だけを使えば
Someone emptied the safe before he opened it. (彼が金庫を開ける前に誰かが空にしていた)
もしくは
He opened the safe after someone emptied it. (彼は誰かが空にした後にその金庫を開けた)
という文が考えられます。
いずれもなんとなくそっけないと思いません?

一方、過去完了を使えば
When he opened the safe, someone had already emptied it. (彼が金庫を開けたとき、誰かがすでに空にしていた)
になります。
@の例ですが、この方がはるかにその泥棒の「しまった!」という感情が上手く伝わってくると思いません?

また、Aの例としてはある企業の買収を企んでいるファンドを想像してみてください。
They started planning the takeover before the the company went public.(彼らはその企業が株を公開する前から買収を企画し始めた)
よりも
When they started planning the takeover, the company hadn't gone public yet. (彼らがその企業の買収を企画し始めた時点ではまだ株が公開されていなかった)
の文の方がそのファンドの計画性、というか虎視眈々とその企業を狙っている様子が伺えますよね。

今日教えた生徒さんが作ってくれた文の一つは
"When I got home, everyone had already finished eating dinner." というものでした。
昨日、奥さんの誕生日を祝うためにせっかくケーキを買って帰ったのに、帰ったらすでに家族のみんながご馳走を食べ終えていた、というのです。何も言わなくても、彼ががっかりしたのが分かります。

さらに時間的経過の例だと、
We lived together for five years. Then he finally proposed to me.(私たちは5年間同棲した。その後、彼がようやく結婚をプロポーズした)
よりも
We had been living together for five years when he finally proposed to me. (彼にプロポーズされたとき、私たちはすでに5年間同棲していた)
の方が色々と想像の余地があります。ずっと待っていたのか、待ちくたびれていたのか、諦めていたのか、それともマンネリ化していたのか...

とここまで考えて気づくいたのが、完了形は想像力を刺激する時制である、ということです。

現在完了を例にとってみましょう。
とっても簡単な "I haven't had dinner yet," (私はまだ夕食を食べていない)のような一文でも色々なことが想像されます。お腹が空いているのだろう、忙しかったのだろう、これから食べるのだろう、更には食事に誘って欲しいのだろう、等々。

使いこなせると楽しい時制ですよね。
想像力に富む知的で楽しい会話を目指して、頑張って活用してみましょうるんるん

breguet.gif
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2006年01月05日

否定疑問文の答え方

正月休みが明けたばかりなので、生徒さんにはレベルに係らずどのように正月を過ごしたのか、初詣をしたり御節料理を食べたりしたのかを訊くようにしています。
自国特有の文化について語ることが出来るのは大事ですからね。

さて、昨日教えた生徒さんですが、女性の方で、私が毎年母に田作り(英語で解説するならさしずめ seared and caramelized baby sardines になるのでしょうか)を担当させられているという話で盛り上がったので、「何か自分でも御節を作ったのですか」と尋ねたところ、「伯母(叔母かもしれませんが)が毎年作っています」と言われました。

しかし、一人で全部作るのはやっぱり大変なので、"Doesn't she ask you to help her?"
(手伝って、とは言われないのですか?)と訊いてみました。すると彼女は笑顔で 頷きながら"Yes" と答えたのです。

さて、ここで英語で Yes と答えると、「手伝って、と言われる」という意味になります。
そこで、やはり何か手伝ったんだな、と思いながら "What does she ask you to make?"
と尋ねると、途端に怪訝な顔をされて、伯母には彼女なりのやり方があるので、手助けは一切拒んで一人で全部作っている、と説明されました。

ああ、彼女は日本語的な感覚で、否定疑問文(negative question)に対して「はい、言われません」という意味で Yes と言ったのだな、とここで初めて気づきました。

英語を話す人は、「はい、要りません」のように一つの文の前半で肯定的な言葉を、後半で否定的な言葉を使うことは自己矛盾と考え、非常に嫌がります。
そのため、答えが肯定文なら冒頭は Yes、答えが否定文なら冒頭は No、という使い分けがなされています。

つまり、
"Aren't you tired?" と聞かれようが、
"Are you tired?" と聞かれようが、
疲れていれば→ "Yes, I am."
疲れていなければ→ "No, I'm not."
と答えが統一されるのです。さらに、首を縦に振るか、横に振るかもこの Yes No によって左右されてしまうのです。

よく外国人が「日本人は YesNo のどっちを言いたいのか分からない」とか「答えが Yes だと思ったら実は No と言いたかったらしい」と不満を言うことがありますが、この否定疑問文の答え方でのすれ違いもその一因となっているのでしょう。

まあ、日本語のように相手に同意するかどうかという主観的(subjective)な問題ではなく、答え自体が肯定的であるか否定的であるという客観的(objective)なレベルで処理している、と考えれば良いのでしょうね。

もっとも、けんかなど感情が支配する場面においては英語スピーカーもしばしば混乱に陥ります。否定疑問文で相手にすごい剣幕で「〜ではないの?!」と言われると、本当は答えの内容が肯定的なものなのに、相手の追求そのものを否定したいがために一旦 "No!" と言ってしまい、まずいと気づいて "I mean yes!" と言い直すことがありますね。言うまでも無く、このような混乱に陥った側は大抵その時点で負けですが...

さて、英語的な思考パターンに慣れてしまうと、逆に日本語での否定疑問文に対する答え方が分からなくなってしまって、一瞬と惑ってしまうことがよくあります。
例えば美容院でクロスを留めてもらうときに、必ず「首周りはきつくありませんか?」とか「お湯は熱すぎませんか?」と訊かれますが、私はそのような時はいつも首を横に振りたい衝動を必死に抑えて「はい」と答えているような気がします。

ちなみに、なぜか私の家では日本語の否定疑問文にも英語ルールが適用されています。
例えば父に「お父さん、お茶のお代わりは要らないの?」と聞くと、父はお茶が欲しい場合には頷いて「ああ、お願い」と答え、お茶が要らない場合には首を横に振って「いや、いい」と答えます。
父も母も別にずば抜けて流暢というわけではないのですが、アメリカで生活をし、ビジネスをやっていく上ではどうしても身に付けなければいけない技だったのかもしれません。

皆さんもお腹一杯の状態で「お代わりは要らないの?」と聞かれて首を横に振ることができたら、本物の英語が身に付いている証と考えて良いのでは?
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2005年11月21日

オススメ文法書

批判的な話が続いてしまったので、今日はもう少し肯定的な話題を。

先週の "Does it suit?" で約束した、オススメの教科書の話です。

残念ながら、英会話の教科書をそこまで厳しく比較検討しているわけではありません。それに英語だけで書かれた教科書で英「会話」を独学で勉強するのはかなり難しいと思います。
もしすでにどこか学校に通うなり先生についているなりしているのであれば、そこで薦められた本を使うのが一番でしょう。むやみに手を広げても墓穴を掘ってしまうだけです。

では何を推薦したいのかというと、文法書です。
ただ「とりあえず通じる」だけでは飽き足らない、正確な英語を使えるようになりたい、と考えているのであれば、良い文法書は欠かせません。

自分で使っていて良いな、と思っているのが Muphy と Smalzer 共著の"Grammar in Use Intermediate"
この本は見開き2ページで一つのポイントをカバーしており、左側に解説、右側に練習問題、という形式が用いられています。なぜあらかじめ決まっている上海への出張について語るときは "I will go to Shanghai tomorrow," よりも "I'm going to Shanghai tomorrow," の方が良いのか、など多くの日本人を悩ませるポイントがイラストつきで分かりやすく丁寧に説明してあります。

実は、これはイギリス英語を基本とした"English Grammar in Use"のアメリカ英語版で、出てくる言葉の綴りがアメリカ風に変えてあり、また whowhom の使い分けがそれほど厳格でなかったり、という点で微妙に違っているだけです。よりルールに厳しい、教科書英語的な方が良いのであればイギリス英語版、今普通に使われているナチュラルな英語に精通したいのであればアメリカ英語版が良いと思います。

またこれらの本では英語の基本となる構文がほぼすべて網羅されていますが、あくまでも一通り文法を勉強したが使い分けなどニュアンスの違いがよく分からない、という英語学習者向けに書かれています。なので、著者自身が序文で書いている通り、初心者向けではありません。
学校で習った文法はとうに忘れている、というのであれば、姉妹本"Basic Grammar in Use"の方が良いかもしれません。三省堂にはこの本の日本語対訳付きバージョンというのも置いてありました。ぱらぱらとめくってみたところ、対訳もかなりしっかりしていて、それになぜか原書より安かったです。(アマゾンではみつからなかったのですが)

最後に、英文メール等を書くことが多いという方であれば、是非アメリカの高校・大学では必読の書となっている Strunk と White 著の "The Elements of Style"に目を通してみてください。
本文若干85ページという非常に薄い本ですが、正しい句読点の使い方や、よく犯される間違い(ただし、これはネイティブ・スピーカー向きなので、必ずしも該当しないかもしれません)が非常に明快に解説されています。いたずらに難しい語彙や構文を一切排除するよう意識して書かれているため、とても読みやすいです。
日本語で書かれた文をそのまま英語に直した場合、非常に複雑で不自然な文になってしまう傾向がありますが、この本に書かれたルールを参考にすれば、より簡潔で誤解のない文章に書き直すことができるでしょう。

実はこの本、例文が非常に愉快で、想像力を刺激するものであるため、これを読んだ画家が例文を題材にしたイラストつきの新版の作成を申し出た、という話が先月の New York Times に載っていました。実物をアマゾンで拝見できますが(下のリンク参照)、なかなかおしゃれなイラストです。

ちなみに、この本の著者の一人である E.B. White は数年前に映画化された『スチュアート・リトル』("Stuart Little") の原作者で、私が初めて彼の作品と出会ったのは小学校一年生のとき、学校の授業で彼の代表的著作である "Charlotte's Web" を劇にして上演したときです。そう、彼の文章は小学一年生でも十分に読みこなすことができ、それでいて感動させることもできたのです。一年生が一人で読んで感動できる長編小説を書くなんて、考えてみるとすごいことですよね。

grammarinuse.jpg  englishgrammarinuse.jpg  basicgrammarinuse.jpg  elementsofstyle.jpg  illustratedelements.jpg(イラスト版)
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2005年11月18日

仮定法の正しい使い方

今朝、スタッフルームでのできごと。

一人の同僚の先生が中上級レベルのテキストを見ながら頭を抱えていました。
「"Subjunctive" とはイマイチよく分からないな。ここ(マニュアル)の指示では『例文を読んで、仮定法 (subjunctive) の動詞を指摘せよ』としか書いていないぞ。これでどうやって教えれば良いんだ」

仮定法と聞いて最初に思い浮かんだの "If I were..." の条件法だったのですが、例文を聞いて、"I suggest that..." "He recommended that..." という形での構文だったことを思い出しました。

その単元を教えた覚えがあった私は「生徒さんは大抵それをすでに知っているから、間違いを正すだけで良いと思いますよ。具体的には that 以下の従属節の主語(つまりアドバイスの対象)が目的格 (me, him, her, etc.) ではなく主格 (I, he, she, etc.) になることと、that 以下の動詞が従属節の主語にかかわらず原形を採ることを指摘すれば十分でしょう」

(実はこの解説を数週間前妹に対してなし、「どうして?」と聞かれても答えられず、悔しい思いをしたのでよく覚えていたのです)

さて、その同僚の先生、それでは納得できなかったらしく、「本当に "He suggested that I eat more fruits." と言ったりするのか」と言い出しました。
そこにその場にいた他の先生が口々に自分の意見を述べ始めたのです。いや、"He suggested that I ate..." だろう、などかなりいい加減なものまで飛び交っていました。

嘘だろう、と思いながらも手元に優れた文法書のような強力な補強証拠が無かったため、反論は「本当?必ず原形でいいはずだけど」にとどめておきました。

今まで聞いたことが無いからありえない、と考えるのは危険だと考えている私は、(しかもかなり尊敬している同僚までもが "I suggest that he eat" も "I suggest that he ate" もどちらもOKだと思うよと言ったため、驚き、かなり焦りました)いうまでもなく家に帰った途端に頼りにしている文法書を引っ張り出しました。
やっぱり、仮定法では必ず原形でしたね。ほっとしました。黒ハート
(そして私を不安に陥れた同僚にも即座に携帯メールで知らせました)

例を挙げると、
I suggested that he consult a dictionary.
He recommended that I not drink any coffee after 3 p.m.
Mr. Kim will demand that North Korea be given an opportunity to address the General Assembly.
I propose that Mr. Phelps be promoted to CFO.

でしょうか。
なんとなく見覚えありますよね。

生徒さんの多くはこれを学生時代に勉強したときの曖昧な記憶に基づいて
He recommended me to give up drinking.
のような間違いをよく犯しますが、先ほどの解説と併せて上記の例を見ればどこを訂正すれば良いか、一目瞭然だと思います。

さて、なぜネイティブ・スピーカーがこれで苦労してしまうのか。

これは、この仮定法がかなり「高級」な構文であり、硬い印象を与えるため、いわゆる日常会話にはあまり使われないからです。しかし逆にこれはフォーマルなビジネスの場面には欠かせませんし、書き言葉においてはよく目にします。医者、弁護士、銀行員、官僚などであれば(人によるでしょうが)平気で日常会話に使う可能性大です。

面白いことに『24』のような番組においてもこの使い分けがちゃんとなされています。大統領とその側近は国務とは関係の無い会話においてもよく subjunctive を用いますが、一般の人々はほとんど使いません。CTU(テロ対策ユニット)では本部長シャペルが命令を発するときに好んで subjunctive を用いますが、これによって「頭の固い官僚」というイメージが強化されています。

TPOを踏まえた上で正しく使うことができれば一目置かれることは間違いありません。
そこで練習問題です。""内の勧告内容を仮定法を用いた文に書き換えてみてください。

例:You, to Alice: "You really shouldn't eat so many sweets." → I suggested that Alice not eat so many sweets.
Mr. Bush, to Mr. Libby: "I think you should step down." → Mr. Bush recommended...
Bob, to you: "Why don't you take a few days off and relax?" → Bob suggested...
Jim, to Mary: "You shouldn't let your boss take advantage of you." → Jim recommended...
The court, in an opinion: "We think the motion should be denied." → The court recommends...
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2005年11月10日

It must be!

昨日の続きです。

合コンについてブログを書いているというその生徒さんに「是非URLを教えて!」と言ったところ、"You must be shocked." と繰り返し、中々教えてくれなかったのです。

まだ読んでいないのだからすでにショックを受けているはずはないのに、と思いながら "I WILL be shocked." と訂正したのですが、訂正しながら実はこの間違いをよく耳にしていることに気づきました。ひらめき

理由は恐らく多くの方が
「〜に違いない」= "must be"
と覚えていることではないのでしょうか。

残念ながら、事態はそう単純ではありません。

推測の内容が現在 (present) 、過去 (past) 、未来 (future) のどの時点に及ぶかによって使う構文 (structure) が違います。

「現在」の状態を推測している場合には、"must be" を使えます。
具体的には "are" とは言い切れない場合、と考えれば間違えなくて済むでしょう。(一般動詞にはなじみません)
例えば、普通 "You are tired." とは言いませんよね。相手の状態(特に心情)を100%自信を持って言い切ることはできないため、"You must be tired." "You must be angry." "You must be shocked."と言うことになるのです。

となると、人間は通常は自分のことをよく分かっていることを考えれば、基本的には "I must be..." はおかしいということに気づくでしょう。ただし、例外的に自分でも自分がよく分からない場合であれば、"I must be out of my mind."(私はどうかしてしまっているに違いない)と言ったりします。

「過去」の状況や行動を推測する場合には "must have been", "must have done" を使えます。「現在」の場合と同じく、"was/were" もしくは "did" と自信を持って言えないときに使う、と考えれば良いでしょう。だから自分が直接知らない事実についてコメントするときに非常に便利です。自分に記憶が無いときも然り。
I must have been really drunk, because I don't remember leaving the party at all.
Did you see the pictures from his wedding? It must have cost a fortune!

「未来」について推測を及ぼすときには、単純に "will" を使えば済みます。
なぜなら、未来は誰にも分からず、推測の域を出ないからです。
裏を返せば、あらかじめ決めてある予定に "will" を使うのは不自然、ということになりますが、ここではその説明は省きます)
You will be shocked.
She will pass the test.
 
もし、これがあくまでも個人的な推測に過ぎないことを強調したいのであれば、"I'm sure" や "I think" 等を加えるのが一番でしょう。
I'm sure he'll do a great job as President.


さて、半ば強引にアクセス方法を教えてもらったその生徒さんのブログでしたが、男性の本音を素直に (candidly) 語った「合コン戦記」とも呼べる内容で、ショックを受けるどころかかなり楽しく読ませていただきました。
(私が日本語を読めないかもしれない、と思ってアクセス方法を教える気になったのかもしれませんね。誤解を招いたのであればごめんなさい)
posted by EnglishMaster at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月05日

check, check, check

モータースポーツ

昨日紹介した「抑制と均衡」の英語版 "checks and balances" が誤解を招くおそれがあるかもしれないと考えた上での追記です。

ここでの check は「確認する」という意味ではなく、比較的なじみが薄いかと思われる「抑える、阻む」という意味での check です。
私の頭の中ではなぜかこの用法に関して、走り出そうとする馬の手綱を強く引いて牽制する、というイメージがあります。

よく考えるとこの check という言葉、実に多様 (diverse) な意味を持っている面白い言葉です。
ざっと考え付くつものだけでも動詞では
1. 確認する I always check the spelling on my e-mail messages.
2. [確認したことの証明や、該当することを示すために]チェック印をつける  She looked over her list, and checked off the items that she didn't need to buy.
3. 抑える、コントロールする Although she wanted to speak out, she checked herself when her boss gave her a warning glance.
4. 預ける I never check my bags when I fly. I prefer to carry them on board with me.
5. [チェスで] 王手をかける He checked me three times, but I won the game in the end.
6. [ホテル、空港、病院等で] check in; check out
"Die Another Day" でブロスナン扮するボンドは監禁されている病院船から脱走する際、"I'm checking myself out," (悪いけど退院させてもらうよ)と言ったりしますねハートたち(複数ハート)

さらに上記の1〜5の意味にはそれぞれ対応する名詞としての使い方もあります。
代表的な使い方の例を挙げると
1. to conduct a check
2. to place a check (next to); to make a check mark
3. to keep in check
4. a baggage check
5. to put someone in check

これらに加えて、
7. 勘定 to bring someone the check; to take care of the check
8. 小切手 to write a check; to make out a check
9. 市松模様 a checked tablecloth


他にもありそうだな、と思って Merriam-Webster Unabridged を調べたところ、大体はこれで網羅できているみたいですが、厳密には 8 や 9 にも動詞的用法があるみたいです。
(また、ここで紹介したのはほとんど他動詞的な用法ですが、自動詞的な用法もかなりあるみたいです。ただ、個人的にはあまり見たことも聞いたこともありませんし、ほとんどの自動詞的用法には archaicobsolete という注意書きが付いていました。)

このように様々な意味があるからこそ
I checked my bags.
という一文は状況によって「手荷物を確認した」にも「手荷物を預けた」にもなりえます。(「落ちそうになった手荷物を抑えた」、と解釈できなくも無いですね)
He checked his horse.
においても「彼は馬[の具合を]確認した」、「彼は馬を止めた」に加えて、辞書によればどうやらシェークスピアの時代には「彼は馬を御した」という意味もあったとか。
すごい!

ここでふと思い出したのが
「貴社の記者が騎射して喜捨して汽車で帰社した」
という一文。Check でも同じように一つの文の中で何回も使うことができるのではないか。
考えた結果が

I want to check the check that I checked to check out the money I needed for my check.

勘定に必要なお金を引き出すために預け小切手確認したい???

ちょっと強引過ぎですが...
是非、もっといい組み合わせを考えてみてください。

最後に、check の語源 (etymology) を調べたところ、どうやらチェスでの check から様々な意味が派生するようになったみたいです。

cs-010s.jpg
posted by EnglishMaster at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月27日

Almost の謎

誰でも犯す典型的な間違いというのがいくつかありますが、 almost の間違った用法もその一つになります。
今日もまた訂正しました。

原因は、和英辞典で「ほとんど」を引くと almost が筆頭に出てくるからではないかと思われますが、まず基本からスタートすると、Almost 単独ではあまり意味を成しません。

過去形や現在完了形、過去完了形の動詞で、しかも肯定文ならOKです。
例えば、
I almost missed the train this morning. (今朝、電車に乗り遅れるところだった)
I've almost finished writing the report. (もう少しでレポートを書き終えるところです)
The rescuers had almost given up when they found the boy. (少年を見つけたとき、救助隊員はあきらめる寸前だった)

しかし、「ほとんど〜なかった」と言いたいときには almost ではなく、hardly 等を使った方が良いでしょう。

I could hardly see anything because of the fog. (霧でほとんど何も見えなかった)

I almost couldn't see the road because of the fog. 
だと、見えないところだったが実際は見えた、という点を強調することになりますね。(ちなみに、この文は少々回りくどく、あまり良い英語とは言えません)

また、almost 単独では一般動詞の現在形とは極めて相性が悪いです。

Almost は「完全な形からの逸脱」をあらわすため、習慣的にやること述べるときに使う現在形と一緒の時には「ほとんどいつも〜する」 (almost always) 「ほとんど毎日のように〜する」(almost every day) 「ほとんど〜しない」(almost never) のように完全な頻度を表す言葉と組み合わせて使わなければなりません。
I eat bagels for breakfast almost every day.
I almost never cook.

また、同じように「先生のほとんど」であれば「先生のほとんど全員」が肯定的な意味で使われる場合には、"almost all the teachers" のように "all" が必要になりますし、「ほとんど全員が〜ない」という否定的な意味で使われる場合には "almost none of the teachers" のように "none" と組み合わせなければなりません。

Almost all of the teachers here have doctorates. (ここにいる先生のほとんどは博士号を持っている)
Almost none of the teachers are married. (ほとんどの先生は結婚していない)

以下、練習問題です。
ハリケーンで街はほとんど崩壊した。
私はほとんどそのプロジェクトに関与しなかった。
彼はほとんど妻と顔を合わせない。
社員のほとんどが会社の株を所有している。

できましたか?
posted by EnglishMaster at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月28日

See, Watch and Look At

今朝、久しぶりにこの違いを説明するのに苦労してしまいました。

ちなみに、これらの三つの言葉の違い、分かりますか?
実はこの間、同じく帰国子女で、某有名私立中学で英語を教えている妹でさえも「あまり違いを意識していなかった」 と言っていたのにはかなりびっくりしたのですが (^^;

see: これは受身的に (passively) 「見える」こと
watch, look at: これは choose to see つまり能動的に (actively) 「見る」こと
ただし、
watch は動くものや変化するもの(映画、テレビの画面、サッカーの試合、誰かが姿を現すかもしれない窓など) を見ているとき、
look at は動かないもの (絵画、写真、テレビの筐体、ショールームの中の車)を見ているときに使います。

だから、
Please look at the picture. What do you see?
という風に組み合わせて使えるんですよね。
また、時計を見るときには秒針の動きを注視 (watch the second hand move) していない限り、look at の方が自然です。なんせ時間を確認するためには時計を一瞥する (glance at)だけですからね。

で、普通はこの程度の簡単な説明で納得してもらえるのですが、今朝の生徒さんはそれでもしきりに首をかしげ、「see の使い方がよく分からない」 と言うのです。

仕方が無いので、日本語だと「見る」と「見える」の違いですね、と言ったところ(ちなみに生徒さんはレベル1でしたが、以上の説明はすべて英語でしました)思い切り墓穴を掘ってしまいました。
また首をかしげられ、挙句の果てに日本語で 「分からない」 の一言。
ううう。
気を取り直して、目の動きをコントロールして「見た」場合と、目に情報が入ってくる場合の違いだ、とジェスチュアと例文を交えて説明したところ、やっと分かってもらえました。やっぱり日本語を使うべきではなかった (;_;)

ところが、その生徒さん、その後に面白いことを言ったのです。"I see" は "I understand" と同じですよね?だから混乱したのです、と。

そこで、多くの人間の場合、目から得る情報が判断のベースになるので、見えること=理解することなんですよ、と説明しました。

実はこれ、昨日読み終わった "The Definitive Book of Body Language" という本に書いてあったことです。その本によれば人の目の動きを観察することによって、視覚情報をベースにしゃべっているのか、聴覚情報をベースにしゃ べっているのか、それともその他の感覚的な情報を手がかりにしているのかが分かるというのです。そして調査した人の 35% が視覚情報重視派で、そういうひとほど "I see", "Let me show you" (この使い方では show は「見せる」の他に「示す」や「証明する」 も意味します)"get the picture" (大枠を理解する)等のフレーズを使うことが多いそうです。

言葉って面白いですよね。
posted by EnglishMaster at 13:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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