サマーキャンペーンの案内で、今までは例えば「プライベート50レッスン」と書いてあったのが、「『マン・ツー・マン』50レッスン」という表記に変わっているではないですか。
どうしてこんなところでジャパニーズ・イングリッシュが使われているのだろう、これも「マン・ツー・マン」のフレーズの普及に努めている緑の看板の学校の影響か、と思い、スタッフに聞いてみると、
「知りません。ウェブサイトからダウンロードしたものをそのまま印刷しただけですから」
との一言。
でも彼女が言うには、「結構『プライベート・レッスン』と言っても分からない人が多いんですよ。『マン・ツー・マン』の方が分かりやすいみたいですね。日本語として市民権を得ているなら、それで良いんじゃないですか?」
そこで早速一緒に広辞苑を引いてみると...出てました、ちゃっかり。
さて、なぜ「マン・ツー・マン」が英語としてはヤバイと感じたかというと、最近英語では gender bias というものが非常に問題になっているからです。
例えば chairman と言ってしまうと男性しか会長になりえないような感じがするから "chairperson" にするべきだ、とか、"stewardess" だといかにもお客様の面倒を見るのが女性の仕事であるようなニュアンスがあるから "flight attendant" や "cabin attendant" と呼ぶべきだ、という議論です。
この流れからすると、man-to-man と言ってしまった場合、教える側が女性である場合と、教えられる側が女性である場合を否定するかのようであるため、避けるべきだ、と言えるでしょう。
(ちなみに、かの緑の看板の学校でさえもネイティブ向けの求人広告では "Teach only one-on-one lessons..." という表現を用いており、"man to man" とは書いていません)
で、ここまで考えて思い出したのが、
Let's talk, man-to-man.
という表現です。
男同士の話し合い、とすると皆さんはどんなものを想像しますか?
腹蔵の無い、率直な話し合い、「リーダーズ英和辞典」によれば、「肚を割った」話し合い、ということです。
これが転じて、
We had a little woman-to-woman chat.
なんていう形で使われることもありますね。
同性同士にしか許されない率直さを伴った、という感じになります。
以上、確かに「マン・ツー・マン」は日本語としては定着しているかもしれませんが、ネイティブに向かって
I'm taking man-to-man lessons,
とはなるべく言わない方が良いと思います。(特に女性である場合)
分かってもらえるかもしれませんが、その前に一瞬変な顔をされてしまう可能性大です。

