
発音記号のシュワー (schwa) [ə] のことです。
正確には、英語を英語らしくする音、とも言えると思います。
意識的にせよ、無意識的にせよ、これが分かるか分からないかでリスニング力にかなりの差がつきます。
ただし、その音の背景にある発想が日本語にはないものなので、苦労する方も多いです。
試しに SALAD と声に出して言ってみてください。
最初の "A" と二番目の "A"、発音が同じになっていませんか?
ネイティブ・スピーカーに発音を注意された経験がある方ならすぐに思い当たると思いますが、実はネイティブが発音すると、salad の二つ目の "A"は「ア」という音ではなくなってしまうのです。Salad と書いてあっても、人によっては "salid" とも "salud" とも発音します。要するに、二つ目の "a" は非常に不明瞭 (unclear) な音になってしまうのです。
英語では強弱 (stress) が非常に大事な言語です。
特に二音節以上の長い単語であれば、必ずどこかにアクセントが付きます。三音節、四音節というより長い単語であれば、第一アクセントと第二アクセントが付いたりします。
そしてアクセントが付かない音節は、弱くなります。特にアクセントの直前の音節は極端に弱くなる傾向があります。
そして音節は母音の単位を中心に区切られますが、アクセントの付く結果としてアクセントのつく強い音節の母音は明瞭 (clear) に、アクセントが付かない弱い音節の母音は不明瞭 (unclear) になってしまうのです。
この「ア」でも「イ」でも「ウ」でも「エ」でも「オ」でもない不明瞭な音こそ、シュワー(schwa)です。
で、先ほどの salad ですが、二つの "a" が同じになってしまった人は
"sálad" と最初の "a" に強いアクセントを付けてみてください。うまくやれば二つ目の "a" は自然にアともイともウともエともオでもない、非常にファジーな音になるはずです。
これは日本語名の英語化でも顕著に現れます。
時間がある方は是非ラジオでAM810のAFN (American Forces Network--在日米軍向けのラジオ放送)を聞いてみてください。その放送ではアナウンサーがよく米軍基地がある Yokota という地名を口にしますが、Yokóta という風に第二音節にアクセントが付く結果、最初の "o" が不明瞭になり(schwa になってしまい)Yakota に聞こえることが多いです。
ではチャンレンジです。
発音記号つきの辞書で、少し長めの言葉を引いてみましょう。 schwa が一つ以上入っている確率はかなり高いはずです。
ちゃんと発音できますか?
ちなみに冒頭の写真で紹介してある champagne には schwa は入りませんが、出てくる二つの
"a" の発音はそれぞれ違うので気をつけてください。念のため
(*正しいカタカナ読みは「日本語化されたフランス語 vs. 英語化されたフランス語」で紹介しています。


