2005年10月23日

ニューヨーク訛の "law"

関西人も東京に長く住めば標準語をしゃべるようになりますよね。
いや、テレビが普及しているこの時代、方言とは言ってもイントネーションによるあまりにも強烈な違いは薄れてきているのかもしれません。

同じようにさすがに日本に帰ってきてから何年も経つと、英語の訛というものもある程度鈍化されてしまうものです。

最初に帰ってきたときは(それまであまりテレビを見なかったというのもあって)カリフォルニア訛でさえも聞くとちょっと違和感を感じてしまうくらい、ニューヨーク訛が体に染み込んでいました。
しかし、今では「ニューヨーク出身」をすぐに当てられることは基本的にはあまり無いですね。生粋のNYっ子訛はあまり上品なものではないので、「訛が無い」と言われるのは喜ばしいことなのですが、さすがに「カリフォルニア出身?」と聞かれたりするとちょっと複雑ですね。

ところが、消えていたと思っていた訛もある面ではやっぱり健在みたいです。

先日、発音のレッスンで [ɔ] と [ou] の区別を練習していたときです。
(ちなみに、前者の代表は "law" [lɔ]、後者の代表は "low" [lou] ですが、カタカナだと両方とも「ロー」になってしまいますよね。)
分かりやすくするためにカタカナっぽく発音して前者は「オー」、後者は「オウ」となり区別が必要なこと、区別を大きくするためには前者にちょっとだけ「ア」を入れて「オァ」にすれば良い、と解説していました。
(なので "law" は「ロァ」、"low" は「ロウ」と発音し分けることになります)

教えていた生徒さんが少し苦労をしていたので休み時間にぼやいていたら、同僚に「そうか、君は『ア』を入れて二重母音 (diphthong) にしているんだ。やっぱり東海岸訛だね。西海岸では『オー』で素直に単母音 (monophthong) だよ」と言われました。

うーん。
やっぱりこういうところで違いが出てくるんですね。
ただし、よく考えると私もあまり一貫性が無く、よほど違いを強調する必要を感じない限り [ɔ] が出てくる単語は「オー」になっているかな。(発音記号が一文字であることからも分かるように、単母音の方が訛のないきれいな発音です)

ちなみに生粋のニューヨーカーだと、"law" の後にさらに舌を巻くような感じで余計な "r" がくっついて、"lawr" という発音になります。だからニューヨーカーに言わせれば "law" と "lore"、"saw" と "sore" などは同音異義語になってしまいます。
Tom Wolfe 著の "The Bonfire of the Vanities" などにはこの訛の特徴が実によく表現されています。トム・ハンクス主演で映画化もされているので是非!

posted by EnglishMaster at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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