さて、リスニングと文法と言うと、一見あまり関係ないように思えますが、文法の知識がリスニング能力の限界を画する格好の例を最近目にしたため、ここで紹介します。
『知恵蔵』上で、ある "YouTube" 上のビデオ・クリップで何を言っているのかを問う質問が出ていました。
どのようなビデオ・クリップかというと、かの有名な MasterCard の「プライスレス」というキャッチフレーズのCMのパロディで、中々気の利いた内容のものでした。
(興味がある方は、YouTube上で "MasterCard +parody" で検索してみてください。ご覧になると分かると思いますが、若干公序良俗に反する面があるため、ここであえてリンクを張るのは控えておきます)
さて、肝心の質問に対する回答ですが、結構世の中にはリスニングに自信がある人が多いらしく、私が見た時点ですでに4人ほどの方が「こう言っている」ということで、台詞を書き出していました。
しかし、どの回答も文法的に微妙におかしいような気がしたのです。
そして、実際にそのビデオ・クリップを自分でも見たとき、なぜそのようなことが起きてしまったのかが良く分かりました。
問題となっている台詞のうちの一文が
If need be, he'll come down himself and do it.
というものだったのですが、この文の冒頭は、条件法の中で仮定法を使う、というものすごく高度な文法を使っていたのです。
そして、この "If need be..." という構文になじみが無かった方は、せっかくキーワードを聞き取っていながらも、正確に文章を再現することができず、余計な言葉をくっつけてしまったり、他の全く見当違いの言葉を入れてしまったりしていました。
もう一つこの台詞の落とし穴は、再帰代名詞を用いた強調構文 "he'll come down himself" だったかもしれません。やっぱり再帰代名詞の正確な使い方が分かっていないと、"himself" は聞き取れていながらも、若干違う位置にあると勘違いしてしまった方がいらっしゃったみたいです。
でも、よく考えてみれば、シャドーイングもディクテーションも構文をしっかり理解してこそ完璧にできるものであるため、これは全然不思議なことではないかもしれませんね。
やっぱりどのレベルにおいてでも、決して文法を侮ってはいけない、ということでしょうか。

今回の指摘はごもっともですね。これは高度な文法ですが、初級レベルのものでも、省略してあるものや、文法や構文の仕組みを理解していないと、文章にできないことはあります。
文法は大事ですね。