その読み方とは、冒頭から丁寧にしらみつぶしで読んでいくことです。分からない言葉があれば辞書で引き、どのような構文であるかまで理解しないと気になって仕方がない、という方が結構いらっしゃいます。
でもそのような読み方が必ずしも良いとは限りません。特に複雑で長い文章を読んでいるときであれば、「木を見て森を見ず」という状態になりかねないからです。
このような状態に陥っていた生徒さんを先週教えていたときに思いついたアナロジーが「家を建てる」です。
一部屋一部屋内装まで完成させながら工事を進めていった場合(増築した場合を想像すると良いでしょう)、時間がより多くかかりますし、割高でもあります。下手すれば、どこかで辻褄が合わなくなって変な段差ができてしまう、という危険性もあります。
一方、通常はまず骨格を作り、それに肉付けをしていき、重要だと思われる部分にはお金を注ぎ込んで、そうでないところは適当に手を抜きますよね。
リーディングでも同じです。
全体的な文章の構造を掴んでから、重要と思われるポイントだけを拾い読みして、分からない単語は文脈から推測する、というテクニックを身につけるだけで、大分英語を読むのも楽になり、時間も短縮できるのです。
それを意識して、最近は、(もちろん相手にもよりますが)長文のリーディングを苦痛に感じているらしい生徒さん相手の時には、いかにして読まずに理解するか、という不謹慎なことに力を入れています。
ちなみに、少なくとも予備校では、試験対策として段々このようなテクニックを教えるようになってきているみたいですね。
とはいえ、これはケース・バイ・ケースで、始めにあらすじを頭の中に入れておくのは必ずしも最良の方法とは言えません。
だって、推理小説を読む前にあらすじを読んでしまったら犯人が誰かが分かってしまうでしょう?
そんなわけで、先週手に入れたプラトンの『国家』の英訳版
最初はソクラテスが単に相手の揚げ足を取っているようにしか思えなかったのですが、一生懸命議論を追っているうちに「ひょっとしたら最終的にはこのような指摘をしたいのではないか」とひらめいたりします。
これは結構楽しいです。
それとも単に暇である、というだけのことでしょうか。

確かに日本語でも、一字一句読もうとすればいくら時間があっても足りませんし、それこそいちいち「この文の文法は...」と考える人などいないでしょう。
知らない単語があっても、大抵は大して気にせずに飛ばしてしまうことができるはずです。
でも英語の文章を見た途端に、英語だから一字一句読まなければならない、と考えてしまう人が多いのです。
まずは、同じ次元の問題だ、と考えられることが大事なのかもしれません。