2006年08月03日

『伝わる英語』の極意

それはズバリ、
結論から話すことです。

え、いきなり結論は、という場合でも、せめて総論や主題を最初に言う(書く)ように努めるべきです。依頼なら、最初に依頼であることを明確に述べる。情報を伝えるだけなら、その旨を最初に書く、という風に。

これには二つのメリットがあります。
1.英語スピーカーは結論から入るスタイルに慣れているため、最初に結論や主題が見えていると、安心できる。
(逆に最後まで結論が見えないと、まどろっこしい、と思う)
2.よりシンプルな結論なり主題なりをしっかり伝えておけば、その後詳細や理由付けを説明するときに多少文法などを間違えてしまっても、誤解される可能性が低い。

もちろん、英語スピーカーであっても、奥歯にものが挟まったような回りくどい言い方をする人もいます。でも、2の事情を考えれば、特に英語力にそれほど自信がない方は、是非この手法を使ってみるべきです。

以下、新年度の冒頭における社長の挨拶を例にとってみましょう。

日本的発想なら、

今年は○○のような事情があるため、まず、Aをやります。
次に、○○であることを考慮して、Bもやります。
さらに、○○であることを考えると、Cも検討していきたいと思います。
以上によって、今年こそ業界1位の座を奪取したいと考えております。

という流れで話すことになるかと思います。

最後まで結論が見えませんし(今年こそ1位になりたい、という最終目標)途中でずっこけてしまったら、聞き手は混乱しますよね?

これを英語的発想に基づいた流れに直すと、

今年こそ業界1位の座を奪取したいと思っております。
そのためには、主に3つの手段を考えております。
それはA、B、とCです。
まず、Aについてみると、これは○○という事情を考慮したものであり...

という感じになるでしょう。
最初の部分で、最終的に何をしたいかがものすごく明確になっています。ここさえきちんと押さえれば、その後多少失敗しても、聞き手は最後までついていくことが出来るでしょうし、誤解も少なくて済む、というわけです。

実は、外資系に勤めたり、海外でビジネスをした経験がある、など日常的に英語を使っている(いた)人は、日本語で話すときにもこの流れのままコミュニケーションをすることが多いのです。

昨年末、妹(日本語よりも先に英語を話し始めたようなバックグラウンドを持つ)が私に依頼の電話をかけてきたときの会話:

妹:「ねえねえ、お願いがあるんだけど」
私:「なあに?」
妹:「明日ひま?時間があったら買い物に付き合ってくれない?」
私:「買い物?一応午後に予定があるけど、どうして?」
妹:「あ、午前中なら良いってこと?実はね、来週結婚式の2次会に呼ばれていて、着ていく服が無いから....」

そのときは何とも思わなかったのですが、良く考えたらこれはそのままそっくり英語に直しても全く違和感がない会話なのです。

A: "Um, can I ask a favor of you?"
B: (sigh) "What is it?"
A: "Do you have any plans tomorrow? If not, can you go shopping with me?"
B: "I'm meeting someone for lunch. Why do you need me to go shopping with you?"
A: "Ooh, so you're free in the morning, aren't you? The thing is, I've been invited to a wedding, and I don't have anything to wear..."

逆に、普通の20代の女の子はこういう流れで会話するのだろうか、と考えてしまいました。

外資系の会社で鍛えられるか、英会話スクールで初級レベルから鍛えられるか(最初は質問に短文で答えるので精一杯なため、必然的に理由付けや詳細は後に述べる習慣が身に付く)すれば、この流れで話をすることができるようになりますが、独学で勉強している場合、どうしても日本語の思考過程から抜け切れない人が多いみたいです。
結果として、せっかく文法もある程度きちんとできているのに、あまり効率よく意思疎通ができない、ということが起きてしまいます。

とにかく、マクロ的レベルにおいて全く違うアプローチが必要であることを、しっかりと覚えておきましょう。
日本語で話しているときでさえ結論や総論から話すようになっていたら、英語でのコミュニケーションのとき、的確に意思が伝わえられるようになっているだろう、と考えて良いと思いますよ。
posted by EnglishMaster at 22:44| Comment(3) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしいご指摘ですね。実は僕も一昨日英語のクラスでプレゼンテーションがありました。10何年ぶりにやって緊張しましたが、まさに今回先生が指摘された通りのスタイルで行うよう指導されていますので、ほとんどの人たちはこれを守ってやっていましたが一名だけ、結論を最後に述べた為、その点を厳しく指摘されました。

僕もアメリカでその introduction→body→conclusion のスタイルを叩き込まれた為、仕事上レポートを作成する際等にもその教え通りに作成します。ただ、会話に関しては日本人的なぼやかしながらという話し方が嫌いでない為、日本人と話す際は特に意識しません。

今日は最高34℃だったそうです。水分マメに摂りながらお過ごしください。
Posted by ニコ at 2006年08月04日 18:37
EnglishMaterさんは日本の企業にお勤めになったことがないのかもしれませんが、生粋の日本企業でも「結論から話す」「結論から書く」ということは新人の頃から技術として叩き込まれます。

それを本能的にやるのか、使い分けてやるのかというのは違うのでしょうが、日本人はビジネスの場でも英語圏の人がいらいらするような会話をしている、と思うのは偏見ではないでしょうか♪(もちろん中にはそういう人もいますが、それは英語圏の方も同じでは?)。

逆に私が英語圏の人とビジネス上の付き合いをしていてイライラくるのは彼ら・彼女らが箇条書きが出来ないことです。
レポートを書かせるととにかくだらだらだらだらした文章を書いてくる。あれは何とかならないモンでしょうか。これも偏見ですかね。

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EnglishMasterさんに是非書いて欲しいのは日本の笑いと英語圏の笑いの質の違いについてです。

笑いというのは文化的背景に根ざした高度な行動であって、決して日本人はアメリカンジョークを理解しない、とかいう単純なことではないと思うのですがいかがですか?

EnglishMasterさんは日本の漫才や落語を見て笑えますか?
Posted by コロコ at 2006年08月13日 08:53
コロコさん、

良い指摘をありがとうございました。
確かに、結論から話す・書くという習慣ができていないと、ビジネスは中々スムーズに進みませんよね。

ただ、上記のようなことを書いたのは、実際にビジネスパーソンを教えていて、これがあまり徹底できていない人が多いな、と感じたからです。

また、講師ではなく、カウンセラーをやっている同僚が、「今身に付いてしまった単刀直入な話し方で昔の職場の同僚と話そうものなら、変な目で見られてしまう」と言っていたのも印象的でした。

ただ、英語的・日本語的と割り切ってしまうのは問題があるかもしれませんね。
細かい点を正確に伝える自信が無ければ、この手法はより有効である、と考えていただければ十分かもしれません。

さて、「笑い」の話ですが、すごく良い視点です。今度是非ジョークを解説付きで紹介していきたいと思います。

ちなみに、私は結構「笑点」なんか一時期はまて見ていましたよ。でも親父ギャグだけはちょっと付いていけませんね (^^;
Posted by EnglishMaster at 2006年08月15日 17:33
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