Whom did you give the book?
がいけないのか、という質問に対し、私は「最初の "to" が無いと物足りない」と解答しました。
実はこれは質問を発した方の意図を全く汲み取れていなかったのですが、色々なことを考えるきっかけになりました。
そして、別な方から
英語学習者にとっては to をつけないといけないという必要。
一方、ネイティブにとっては「足りない」という感覚。
似ているようで、大きな違いがあるなあ。
学習者に英語を教えるときは、「つけないといけない」から「足らない」への架け橋が必要なんだな。
という貴重なコメントも頂きました。
ちょうどそのとき、"To-Do List" を題材にしたレッスンで面白い体験をしました。
"To-Do List" とは、やらなければならないことを一覧にまとめた備忘録みたいなものであり、もちろんこれを完全な文で書くネイティブ・スピーカーはいません。
大抵、主語は不要。冠詞も不要。「スーツを取りに行く」であれば、普通は「自分の」スーツであるため、"my" のような所有格も不要。
ということで、本人さえ分かれば済むようなフレーズで構成されるのがほとんどです。
そして、その日のお題は、このフレーズだけを見て、"I have to..." という完全な文を作る、というアクティビティーでした。
ところが、その日はなぜか、教科書に載っている見本のリストを眺めていたときに、よくよく見ると、時々(句動詞を構成しない、すなわち不要な)前置詞が入ったりしていて、なんとなく一貫性が欠けていることに気付いたのです。
そこで、「このリストは生ぬるい!」と糾弾し、「本物のネイティブは、冠詞も、所有格も、必要がなければ前置詞も、一切省いてリストを作成してしまうものです」(人によりけりなので、厳密には嘘ですが)「というわけで、皆さんには冠詞なし、所有格なし、前置詞はできる限りなしのリストを作っていただきます」と言い、自分のリストとして以下のような項目を板書しました。
・clean room
・e-mail Ben
・book Kyoto hotel
すると、あら不思議。
いつもは結構前置詞や冠詞があやふやで、こちらが訂正してばっかりの生徒さんが、
"You have to clean your room."
"You have to send an e-mail to Ben."
"You have to book a hotel in Kyoto."
と、なんと完璧な文を作文してしまうではないですか。
特に面白かったのは2番目の項目。
本当は
"You have to e-mail Ben."
でも完成する文なのに、(少なくとも私はそのような意図でその項目を用意しました)ご丁寧に動詞と冠詞と前置詞をくっつけてくれたのですね。
"e-mail Ben" では何かが足りないに決まっている、とでも感じたのでしょうか。
しかもオリジナルの、中途半端に冠詞が省いてあるリストを題材にしたときとは、答えるときの自信が全然違ったように感じました。
あの程度では、「何かが足りない」とは思えなかったのかもしれません。
正直、自分から「足りない」と感じるとここまでも違うのか、と思うと、衝撃でした。
このようなアプローチがレッスンでも使えるかどうかは考え中ですが、また何らかの形で試してみたいと思います。

文法等にあまりにこだわり過ぎる性格の人々には柔軟性にやや欠けるところがあり、完璧な文章を頭の中で作れない限り、口に出せないというケースがありますね。
普段は死に物狂いで勉強しているとしても、会話の場面では間違えても気にしないという位のリラックスした気持ちで臨んでもらいたいですね。
先生お体に気をつけて良い夏をお過ごしください。
でも、いつも苦手な冠詞を気にしなくても良い、と言うと、たいていの人は嬉々として取り組みますよ。
間違えても気にしない、というのは大切なことですよね。良い指摘をありがとうございます。
あとは、特にレッスンであれば、訂正されても凹まない、というのも大事ですね。
掲示板からここにアクセスしました。投稿はときどき拝見させてもらっていますが、とても参考になります。
email Benという表現は、日本人学習者にとってはおそらくsend an emailよりも浮かびにくい表現だと思います。emailを動詞として使うことにあまり慣れていないから。あくまで個人的な感想ですけど・・。
また、遊びに来させてください。それでは。
m(_ _)m
確かに e-mail を動詞で使う、という感覚はまだそれほど浸透していないかもしれませんね。
でも、今では
Please e-mail me later.
という感じでごく普通に使われるようになっているので、特にビジネスで英語を使う場合には知っていて損は無いでしょう。
似たような表現で最近市民権を得たものには、Google を他動詞として使ったものがあります。日本語でも「ググる」という表現があるみたいですが。
I googled my date beforehand.
(前もってデートの相手をググってみた)
この間見たウィル・スミス主演の『最後の恋の始め方』(原題:"Hitch")ではこのようなto google sth の使い方を乱発していました。