2006年06月20日

Freakonomics

「常識」という言葉は英語に直すときに結構苦労するような気がします。
誰でも「知っているべき」ことであれば、common sense だろうし、誰もが「持っている知識」であれば、common knowledge でしょう。(もっとも、アメリカ英語ではあまりこの表現は使われていないみたいですが)
ある特定の分野に限定されているものであればsavvy が一番かもしれませんし。

でも、我々が「常識」という言葉を使うときには「誰もが真実だと思っていること」も含まれていますよね。この言葉にぴったり該当するのが、J.K.ガルブレイスが著書『豊かな社会』(The Affluent Society)で提唱した conventional wisdom だと思います。

"Freakonomics"はこの意味での「常識」に戦いを挑む本です。
(大分前に話題になった本なので、すでに日本語訳もでており、題名は『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』となっています)

テーマは多岐に渡っており、日本の大相撲の力士は八百長をしているのか?絶対八百長をしない力士は見分けられるのか?に始まり、親が一生懸命教育(本を読み聞かせたり、美術館に連れて行ったり)した子は優秀に育つのか?や親が子につける名前にはどのような経済的な影響があるのか?などの疑問に経済学の見地から答えるものです。

最も面白かったのは「出会い系サイトで成功するための法則」でした。私は男性と会うための出会い系サイトは利用していないのですが、個人的に教える生徒さんを見つけるためのサイトには登録してあり、メカニズムは似たようなものだからです。
写真が無いのは致命傷みたいですね。私も気に入った写真が無かったため、アップしていなかったのですが、これを読んで反省しました。(それに冷静に考えれば、それほど美人に写っていないほうが不純な動機の人をスクリーニングできるはずですよね)

大分本題から逸れてしまいましたが、本のメッセージとしては、「常識を徹底的に疑え!」と「因果関係(causality)と相関関係(correlation)を混同するな!」みたいなものでしょうか。
かなり説得力があります。

どこまで真に受けて良いのかは分かりませんが、エンターテインメントとしては最高でした。文体も口語体の非常にくだけたものであり、一気に読めてしまいます。教養がありながらもくだけた英語がどういうものか知りたい、という上級者にオススメですが(語彙や言い回しはかなり難しいものが多い)、上に紹介した問題に興味を持っておられる方でしたら意外とすらすら読めてしまうかもしれません。
ページ数も本文のみは204ページと決して長くない上、チャプターごとに完結しているので、「面白そうだな」と思えた方は是非!

freakonomics.jpg

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posted by EnglishMaster at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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