2006年02月01日

misplac'd apostrophes

以前 the b'akasaka で怪しげな句読法(punctuation)を紹介しましたが、Lynne Truss 著の "Eats, Shoots and Leaves: The Zero Tolerance Approach to Punctuation"によれば、本場のイギリスにおいても怪しげな punctuation はあらゆるところに見られるみたいです。

この本で真っ先に槍玉に挙げられているのが apostrophe (it's の ' という省略もしくは所有格を表す符合)です。

本来 apostrophe が使われる場合は主に3つです。
1.省略を表すとき:can't, won't, he's, we'll, '06
2.所有を表すとき:Mr. Bond's car, the Mariners' Ichiro, the men's room, the children's favorite
(所有者が複数である場合、ややこしくなります。"Mariners" など複数形が "s" で終わる場合には最後の "s" の後に apostrophe が付き、"men" や "children" など "s" で終わらない複数形だと apostrophe の後に"s" が付きます)

例えば、日本でもよく見かける "Ladie's room"という看板ですが、本当は "lady" の複数形が "ladies" であり、"s" で終わる複数形に当たるため、"Ladies' room" ではないとおかしいのです。しかしなんとイギリスでさえも前者がところどころに見受けられるというではないですか。

3.文字や数字、略語の複数形を表すとき(ただし略語については争いあり)

アメリカでは "CD's" や "DVD's" といった表記が普通ですが、イギリスでは "CDs" "DVDs" と apostrophe を使わない表記が一般的になっているみたいです。
もっとも、この用法に引きずられてか、イギリスの八百屋さんにも "apple's, banana's, orange's for sale" のような看板をしばしばみかけることができるとか。
写真でも良いので、是非実物を拝見したいものです。

そして、極め付けがサンドラ・ブロックとヒュー・グラント主演のラブコメ "Two Weeks Notice" (邦題「トゥー・ウィークス・ノーティス」)。
このタイトル、何がおかしいか分かりますか?「二週間分の予告」という意味で一種の所有関係に準じた状態が生じているため(文法的にはあまりよくない説明ですが)、本当は apostrophe が必要なのです。
正しくは "Two Weeks' Notice" でなければなりません。

なんと筆者はこれを何とか通行人に気づかせようと、apostrophe の形をした棒を手に持って映画館のポスターの前で突っ立っていたみたいです。
かなりの変人ですよね。

私も本の中でこの間違いを指摘されるまではあまり深く考えずにレンタルビデオ店に積み上げられた "Two Weeks Notice" の前を素通りしていた連中の一人ですが、一旦気にし始めるときりがないです。

つい先日、パレスチナでの選挙を報じている New York Times の記事でも apostrophe のミスを発見してしまいました。
写真の下のキャプションが
"A Palestinian man looking at the electoral candiate's lists"

間違い、分かりますか?

"The electoral candidate's lists" だと一人の候補者が書き上げた複数のリストになってしまいます。選挙に出馬するすべての候補者のリストであるならば "electoral candidates' lists" でなければなりませんが、あまりエレガントな英語とは言えないですね。"lists of the electoral candidates" あたりにした方が誤解を招かずに済んでよかったのではないでしょうか。

eatsshootsandleaves.jpg  twoweeksnotice.jpg
posted by EnglishMaster at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック