これが顕著なのが "Do you have any questions?" や "Do you understand the difference now?" "Would you like to listen one more time?" 等の質問です。
「大丈夫」である場合、それぞれ "No, I don't," "Yes, I do," "No, thank you," と答えるべきところ、なぜか統一して "It's OK," と答える人が多いのです。
これが間違いか、と言われると、ちょっと微妙なところがあります。
なぜなら、「大丈夫です」というニュアンス自体は伝わるため、サバイバルレベルのコミュニケーションでは一応可とできなくもない、という感じです。また、ここまで一々細かく直す先生も珍しいでしょう。私自身、恥ずかしながらそのまま訂正せずに放置することの方がはるかに多いです。
しかし質問の主語が "you" であるからには、厳密にはせめて答えの主語も "I" にして "I'm OK," と答えない限り、文法的にも論理的にもちぐはぐな感じがしてしまいます。
また、この "OK" という言葉は文中で使う限り同じ「大丈夫」であってもあまり積極的な意味を持たない点に注意しなければなりません。
すなわち、「良い」というよりも「悪くはない」という程度のものなのです。
"How was the movie?"
"It was OK,"
であれば、とりわけ良いわけでもなかったが、別にお金を損したとは思わなかった、という程度でしょう。
文中で使う限り、という断り書きを付けたのは、"OK" を単独で使った場合には途端に "Yes" という積極的な意味合いを帯びるからです。
"Why don't we meet at 7:00?"
"OK!"
ここで英語では必ず主語が必要だ、という考え方に囚われて、冒頭に "It's" をくっつけてしまうとちぐはぐな答えになってしまうので注意しましょう。
また、"OK" は非常にカジュアル(informal)な感じの言葉なので、きちんとした場ではなるべく使用を避けたいものです。基本的には質問をしっかり聞いて、質問に文法的に対応する答えを述べるのが無難かと思います。
なお、 "It's OK," という文は非常に特殊な場面で用いられる場合が多いです。
例えば相手が何らかの災害に遭ったり、悪夢を見ていた場合など、「心配ないよ」となだめてあげますよね?このようなときには是非 "It's OK," と言ってあげてください。


