2005年11月30日

Mr. James

今日の話の内容は11月3日の『ボンド流の自己紹介』と非常に関係が深いものなので、ここで登場する同僚の名前も仮に James Bond としておきましょう。

さて、昨日のことですが、とある上級レベルの生徒さんのレッスンの準備をしていたとき、その前の日にその生徒さんを教えたのが James であることに気づきました。結構仲が良いため、すかさず「どんな方なの?」と聞くと、「ああ、明後日からロンドン駐在になるエコノミストで、とても面白い人だよ。実は今朝Eメールを送ってくれたんだ」と教えてくれました。
さらに、「昨日は "stereotype" という言葉を練習したから、彼の顔を見たら "Are you really an economist? You don't look like the stereotypical economist." と言ったらきっと受けるよ」というヒントまで伝授していただきました。

実際に会ってみると、確かにエコノミストというよりは商社マンみたいな雰囲気の方だったので、言うまでもなく、早速教えてもらった手を使ってみました。するとその生徒さんはびっくりして
"That's what Mr. James said yesterday!"
と返してきてくれました。

ここで彼を訂正すべきか迷った挙句、せっかくの流れを長々とした説明で破壊したくないと考えてしまった私は結局放置してしまいました。
しかし今朝になって、別の生徒さんの全く同じような間違いに遭遇し、やっぱり昨日の生徒さんも(特にこれから海外駐在ということだったので)直しておくべきだった、と反省しています。

どこを訂正しなければいけなかったのか、分かりますか?

実は、"Mr." や "Ms." という敬称(title of courtesy)は苗字(last name)またはフル・ネーム(full name)の前に付けるものであり、日本語で言う下の名前に当たるファースト・ネーム(first name)を単独で使う場合には何も付けないのが一般的なルールになっています。
すなわち、"Mr. Bond" や "Mr. James Bond" ならOKですが、ファースト・ネームだけ使うのであれば "James" と呼ぶべきであり、"Mr. James" ではおかしいのです。

アメリカ人などは親近感を出すため、よく自己紹介の時に "Please call me <first name>" と言ったりします。同僚のボンド君も例に違わず、相手は敬意を表すために "Mr. Yamada" のように "Mr." プラス苗字のコンビネーションで呼んでいるくせに、自己紹介の時には必ず "Please call me James," と言っているみたいです。
しかし、多くの日本人(特に男性)は相手をいきなり呼び捨てにするのに抵抗があるのでしょう。呼び捨てにしたくはないけど、せっかくそう言ってくれているのだからファースト・ネームを使いたい、と考えた結果、"Mr. James" という奇妙な英語が生まれてしまうのだと思います。

一番の解決策は、欧米ではファースト・ネームで呼び捨てにするのが当たり前であり、決して失礼なことではなく、むしろ良いことなのだ、と割り切ってしまい、自分からも "Please call me Taro," と言えるようにすることでしょうね。(ラスト・ネームの呼び捨ては失礼に当たる場合があるので注意しましょう)

しかし「ファースト・ネームを使いたいけど、呼び捨てにするにはあまりにも抵抗がありすぎる」という方も中にはいらっしゃると思います。そのような場合にぴったりな、とっておきの手段があります。
日本語の敬称である「さん」を使ってしまうのです。

え?と思われるかもしれませんが、日本でビジネスをやっている、もしくはやろうとしている外国人であれば日本では「さん」が一般的な敬称であることぐらい知っており、向こうから "Yamada-san" と言ってきてくれることも多いです。
そして、"san" を使うのであれば日本語同様、苗字に付けようが、ファースト・ネームに付けようが勝手ですよね。日本人らしい謙虚さが出る点においても決してマイナスにはならないと思います。
なので、"Mr. Bond" ではよそよそしいが、"James" と言うのは勇気が要るという方は、ひとまず "James-san" で通してみてはいかがでしょうか?

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posted by EnglishMaster at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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