2006年11月27日

(続)英語は英語で

さて、前回述べた通り、私はかなりの確固たる信念を持って「英語だけ」にこだわってきたのですが、最近その信念が大きくゆらぎました。

とある生徒さんに「日本語ができる先生が良い」とリクエストされて、時折日本語の解説を入れるようなレッスンをしたのがきっかけです。

実は、それは別のベテランの先生が勧めたことであり、その生徒さんが基礎を全く理解できなくて苦労しているから、誰かがちゃんと解説してあげた方が良いかも知れない、と進言したことから始まったのですが。
(果たして生徒さんの方からそのようなリクエストをしても、「方針に反する」として認められないかもしれません)

ともあれ、「習うよりひたすら慣れろ」というポリシーを捨てて、必要に応じてちゃんと解説も入れました。

と言っても、大した解説ではありません。
文法解説にいたっては、「一つの文には一つの動詞しか使えません。それはBe動詞か、Be動詞以外の動詞です」ぐらいのレベルのものです。
現在進行形あたりまで行った時、ほとんど英語で例文を対比させるだけで飲み込めるようになっていました。

むしろ、日本語の解説が役に立ったのは、ある会話の背景状況や宿題の指示を説明するときでした。
(面白いことに、その生徒さんは「この宿題は文の形を変えるだけで良いのですよね?それは簡単にできたのですが、でもどうしてこんなことをやる意味があるのか分かりません」なんて鋭い質問をしてきたのです)

あとは、復習の仕方を直接、日本語で説明してあげた点ぐらいでしょうか。

面白いことに、彼女は最初に予想していたよりもはるかに早く上達していったのです。彼女と同じように全く潜在知識が無いような生徒さん(Complete Beginner)では一つの章を消化するのに6レッスン以上かかってしまうことも珍しくないのですが、彼女は最終的には3レッスンちょっとで一つの章の内容を身に付け、応用できるようになったのです。
「一応読み書きはできるが会話ができない人」(我がスクールではこのような人を False Beginner と呼んでいます)を前提とした基本ペースが一つの章に対して4レッスンとされていることを考えれば、驚異的なことです。

もちろん、本人がものすごい努力家であったことは言うまでもありません。
でもそれに加えて、疑問を残さずにそのつど内容をちゃんと理解しながら進むことができたことが大きかったのかな、という気がしました。

初心者(特に彼女のような Complete Beginner)にとって一番難しいのは質問することだと思います。「英語のみ」というカリキュラムに基づいて学習する場合、それで躓いてしまう人の多くは、実は分かっていないのに、質問するのが難しかったり面倒くさかったりで「とりあえず分かったフリをしておこう。家に帰ってから自分で調べよう」と考える習慣がついてしまい、だんだん付いていけなくなった人ではないのでしょうか。
そういう人にとっては、実際には使わなくても「いざという時には日本語で質問できる」というセーフティネットが重要なのかもしれません。

と考えるようになってから、レベル1の人に対して以前に比べて助け舟を出してあげることが多くなりました。道順の聞き取りで "Chestnut Street" という一言に首を傾げていた生徒さんに小声で「栗」と教えてあげたり。(おおっ、なるほど、栗通りか!なんて喜んでいましたが)

もちろん、そのような手助けなど必要とせずに、すらすらと新しい単語や構文を飲み込んでいける人もたくさんいます。ですが、みんながみんな、そういう言語的なセンスに恵まれているとは限りません。
以前にもセーフティネットを本当に必要としていた生徒さんがいたな、と思うと、今まで少し頭が固かったかもしれない、と反省せざるを得ません。
posted by EnglishMaster at 23:44| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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