2006年06月13日

愛国心

サッカーには大して興味の無い私ですが、(野球派です!)ささやかな愛国心から今夜のオーストラリア戦を見るためにテレビをつけてみました。
しかし、全くの門外漢でも日本の戦い方が下手に見えて仕方がありませんでした。なぜオーストラリアゴールの前に誰も待機していないんだ!と叫びたくなってしまうことが何度も。後半、オーストラリアに追いつかれてからは見る気をすっかりなくしてしまい、チャンネルを変えてしまいました。

ところで、昨今話題を呼んでいるこの「愛国心」(patriotism)という言葉、皆さんはどんなイメージを持っておられますか?
いや、それよりも、これを学校で教える必要があると思いますか?

私は、これは学校で教えるものではない、と思います。
そればかりか、これを提唱している人々の筆頭に立っている小泉さんには本物の愛国心が欠けている、と思います。

このように考えるのに至ったのには、先月のレッスンでのある生徒さんの質問がきっかけでした。

ちょうどその日のレッスンの範囲に当たるテキストに "patriot" という言葉が出ていたため、その方に「この言葉の意味はご存知ですか?」と聞いたのです。
すると「自分の国を愛する人です」とすらすらと答えられたので、少し突っ込んだ話にも耐えられるだろうな、と思い、「では、あなたは patriot ですか?」と尋ねてみました。

(この質問はアメリカ人に向かっては絶対にするものではないと思います。なぜなら幼い頃から毎朝国旗に忠誠を誓っている彼らからすれば、「Patriot に決まっているだろう!」と怒り出す人が9割ぐらいでしょう)

その生徒さんは首を傾げながら「いや、違うと思います」と言ったのです。
「なぜですか?」と聞き返すと、「日本には色々と悪い面もあるから」と仰いました。
「いえ、良い面と悪い面を両方しっかりと見据えて、より良い方向に持って行きたいと思う人こそ愛国者だと思いますよ」と切り返すと、納得したような顔をされていました。
しかし、次の瞬間、いきなり、

"Do you think Prime Minister Koizumi is a patriot?" と聞いてきたのです。

この質問にはびっくりしてしまいましたが、一瞬考えた末、「違うと思います」と答えると、すかさず「なぜですか?」と聞いてきました。
内心、さすがだな、と感心しながら「小泉首相は靖国神社参拝によって大分国の対外的評価を貶めましたよね。そのような対外的評価を低めるような行為をする人は愛国者とは呼べないと思います」と意見を述べると、「僕も同感です」とのことでした。

その場で咄嗟に考えた説明にあっさり同意されて少々拍子抜けてしまったため、「では、歴代首相の中で、真の愛国者と言えるのは誰だと思いますか?」と質問を返すと、しばらく考えて「ミスター・ミヤザワは真の愛国者だと思います」と答えが返ってきました。これにも驚かされました。私も誰かを挙げろ、と言われたら真っ先に宮澤さんの名前を挙げただろう、と思ったからです。

実は私は4月の日経に掲載されていた宮澤さんの『私の履歴書』を読むまでは大して彼を評価していなかったのですが、あのコラムでは彼の世界の中での日本の立場を少しでも良くし、少しでも評価を高めよう、という姿勢がひしひしと伝わり、かなり感動したのです。
また以前、小泉さんの英語力で、「歴代の首相でただひとり
orthodoxな英語を話せるのは宮澤元首相だけです」というコメントを頂きましたが、なるほど、この人の英語力は本物だろう、とも思わされました。

大分話が逸れてしまいましたが、宮澤さんのようなある意味健全な人が持ち出す「愛国心」論ならまだしも、小泉首相や石原都知事のような自己中心的な考えの持ち主が担ぎ出した「愛国心」はロクなものではないような気がしてしまうのです。


健全な批判精神と国際感覚を有してこそ本物の愛国心の持ち主だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?
posted by EnglishMaster at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする