2006年06月30日

How do you do?

今日はじめて教えた方が、真っ先に "How do you do?" と挨拶されました。時々、このように挨拶される方がいらっしゃいますが、使わなくともこの表現を知っていて、正しく使うことができる方は実に多いですね。
もっとも、この表現を生徒さんがごく普通に使われる度に新鮮な驚きみたいなものをおぼえます。

なぜなら、少なくとも「平均的なアメリカ人」においては、そんな表現は死んでも使わない、という人が多く、挙句の果てには正しい返事の仕方さえ分からない人がほとんどだからです。(NZ人の同僚曰く、「そんな古臭い(antiquated)表現、誰も使わないよ」
(ネイティブが「誰も使わないよ」と言うと説得力がありますが、注意が必要です)

"How do you do?" は日本語にたとえるなら「ごきげんよう」ととても似た感覚ですね。一般庶民が使う言葉ではなく、また「ごきげんよう」→「ごきげんよう」と同じ表現で返さなければならない点も共通しています。("How do you do?" と尋ねられたら、"How do you do?" と返すべきです。念のため)

さて、なぜ『ごきげんよう』に該当する表現を初級者でも知っているのだろう、と首を捻っていたのですが、最近面白いことを知りました。
この表現は英検5級の教本にも紹介されているらしいのです。

ということは、皆さんが学生のときに用いた他の教科書や参考書にも載っているのでしょうね。

かといって、生徒さんに "How do you do?" と尋ねられても、一々それを訂正する気にもなりません。なぜなら、現にイギリス人や他国籍のノン・ネイティブはこの表現を正しく使っているのであり、正確に使えるに越したことはないからです。

ちなみに、多くの「ネイティブ」は死んでも使わないと言う、申し上げましたが、私が用いている中上級のレベル(TPOに応じた使い分けが重要視されてくる)のテキストにはちゃんと紹介されています。
このときばかりは、日本語禁止のルールを曲げて、使う場面は違うが(基本的には初めて合ったときしか使わない)『ごきげんよう』と似た感覚であることを説明します。そしてついでに、万が一誰かに言われたときには正しい返事ができるようにしておきます。

一体何を基準とすべきか、難しいと感じるときがありますね。
皆さんはどうでしょう。誰かに日本語を教えているときに「ごきげんよう」と挨拶されて、敢えてそれを直しますか?
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2006年06月25日

"L"と"R"と「ラリルレロ」Part III

LとRに関しては、熱心に研究されている方が多いらしく、「Rの時は少しブレている感じがする」や「Rの時は舌がフットボールを包み込むような形になるよう意識している」など、非常に参考になる意見をいただきました。
これは、各人工夫するのが一番ですね。自分の言葉で違いを語れるように頑張ってください。

そして、何よりも大事なのは、"write" という言葉を言うときなど、すでにRの発音がちゃんとできていることが多いということを信じることです。

とにかく練習あるのみ、なので、以前からLとRを用いたミニマルペアの練習編をもう少し充実させたいと思っていました。

以下、新リストです。

これらは実際に私がレッスンの中で生徒さんに聞き取ってもらえなかったか、または生徒さんがどちらを言いたいのかが分からず戸惑ってしまったものを中心に取り上げているので、ほとんどが同じ品詞のものとなっています。
ただし、面倒くさくなってしまったので、和訳は省略させていただきました。
(なお、n., v. のように二種類挙げているときには、より多く使われていると思う方が先になっています)

clouded (adj.) crowded (adj.)
load (n.) road (n.)
collect (v.) correct(v.)
allay (v.) array (n., v.)
glow (v., n.) grow (v.)
lent (v. 過去形) rent (n., v.)
bland (adj.) brand (n., v.)
laze (v.) raise (v.)
clap (v., n.) crap (n., v.)
play (v.) pray (v.)
loyalty (n.) royalty (n.)

なお、lentto lend の過去形ですが、"to lend" とは無償で貸与すること、"to rent" は対価をもらって貸与することを指し、似たような概念を扱うので特に注意が必要だと思います。
posted by EnglishMaster at 23:17| Comment(3) | TrackBack(1) | 発音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

advice はどっち?

以前、学校英語教育を高く評価するような内容の記事も書きましたが、その反面、学校英語の限界を感じるときも少なくありません。

その典型的な例が、"should" と "had better" の違いです。

皆さん、アドバイスの時にはどちらを使いますか?

昨日この質問をした生徒さんは、"had better" の方が "should" よりも表現として柔らかそうなので、"had better" を使う、と答えました。
実際、読者の皆さんの多くも(すでに私のこの議論に付き合わされた方はともかく)同じように答えるのではないでしょうか。

しかし、これはとんでもない間違いなのです。

"should" はあくまでも理想を提示するときに使われるものであり、アドバイス的なニュアンスを持っています。
一方、"had better" だと「こうしないとまずいことがおこる」と言いたいときに用いられる表現であり、むしろ警告(warning)的な意味合いを持っています。"or else..."(さもないと...)という表現との組み合わせで使われることが多いので、そのように考えればイメージをつかみやすいでしょう。

"You'd better pay back every penny you owe by tomorrow, or else I'll be telling your husband about your gambling problem..."
チンピラが賭博の借金を取り立てようとしている場面が思い浮かびますでしょうか。

だから、ダイエット中の私が目の前の美味しいケーキを見て、
"I shouldn't eat this," と言った場合には、食べないことは「理想」に過ぎないので、結局食べてしまうでしょう。
でも "I'd better not eat this," と自分に言い聞かせた場合には、食べてしまった場合の悪影響が念頭にあるので、食べたいのを我慢するでしょう。

なぜこのような誤解が生じてしまうかというと、実は極めて簡単なことです。日本の学校では、すべて和訳して教えるため、
"should" → 「すべき」
"had better" →「した方が良い」
になってしまい、日本語を比較すると「すべき」の方が強いので、「ああ、should の方が強いのだなあ、ということになるのです。

最近、ネット上の掲示板で、日本の学校でもシチュエーションに即した、使える英語を一生懸命教えている熱心な先生がいることを知ったのですが、残念ながらその方は少数派に属しているように思えます。多くの先生は「どのような場面で使うか」までは考えず、「こういう訳だから」と字面を追うだけで終わってしまうのではないのでしょうか。
(確か英検1級か準1級の単語集にはこのふたつの表現の違いに注意を喚起する表記があったのですが、普通の参考書には載っていなかったような気がします)

英語は表現のツールなので、いつ、どのようなときに使うのか、という背景事情まで理解することが大事ですよね。

ところで、昨日 "should" の方が強いと思う、と答えた生徒さんですが、"had better" が非常に強い表現であるということを聞いて、相当ショックを受けていました。

「これって、上司に対しては使わない方が良いですよね?」と尋ねられたので、「まあ、そうでしょうね」(You probably shouldn't)と答えたところ、外資系に勤めている彼は、英語スピーカーの上司に毎日のように "had better" を連呼していた、どうしよう、と仰っていました。

今となってはもうその上司の方も理解してくださっているとは思うのですが、彼は「もう二度と使わない」と反省していました。

ここではじめて違いを知ったという方、英語でのアドバイスは "should" を使うべきであることを、くれぐれも忘れないで下さいね。
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2006年06月23日

エアロビで英語??

友人に、「これ、君のブログの趣旨にぴったりだと思うから是非紹介してくれ!」と頼まれたのが、以下のリンクです。

http://www.collegehumor.com/movies/1695207/

でも、正直に申し上げまして、あまりにもぶっ飛んでいるためなんらコメントが思い浮かびません。
どなたか助けてください!
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2006年06月20日

Freakonomics

「常識」という言葉は英語に直すときに結構苦労するような気がします。
誰でも「知っているべき」ことであれば、common sense だろうし、誰もが「持っている知識」であれば、common knowledge でしょう。(もっとも、アメリカ英語ではあまりこの表現は使われていないみたいですが)
ある特定の分野に限定されているものであればsavvy が一番かもしれませんし。

でも、我々が「常識」という言葉を使うときには「誰もが真実だと思っていること」も含まれていますよね。この言葉にぴったり該当するのが、J.K.ガルブレイスが著書『豊かな社会』(The Affluent Society)で提唱した conventional wisdom だと思います。

"Freakonomics"はこの意味での「常識」に戦いを挑む本です。
(大分前に話題になった本なので、すでに日本語訳もでており、題名は『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』となっています)

テーマは多岐に渡っており、日本の大相撲の力士は八百長をしているのか?絶対八百長をしない力士は見分けられるのか?に始まり、親が一生懸命教育(本を読み聞かせたり、美術館に連れて行ったり)した子は優秀に育つのか?や親が子につける名前にはどのような経済的な影響があるのか?などの疑問に経済学の見地から答えるものです。

最も面白かったのは「出会い系サイトで成功するための法則」でした。私は男性と会うための出会い系サイトは利用していないのですが、個人的に教える生徒さんを見つけるためのサイトには登録してあり、メカニズムは似たようなものだからです。
写真が無いのは致命傷みたいですね。私も気に入った写真が無かったため、アップしていなかったのですが、これを読んで反省しました。(それに冷静に考えれば、それほど美人に写っていないほうが不純な動機の人をスクリーニングできるはずですよね)

大分本題から逸れてしまいましたが、本のメッセージとしては、「常識を徹底的に疑え!」と「因果関係(causality)と相関関係(correlation)を混同するな!」みたいなものでしょうか。
かなり説得力があります。

どこまで真に受けて良いのかは分かりませんが、エンターテインメントとしては最高でした。文体も口語体の非常にくだけたものであり、一気に読めてしまいます。教養がありながらもくだけた英語がどういうものか知りたい、という上級者にオススメですが(語彙や言い回しはかなり難しいものが多い)、上に紹介した問題に興味を持っておられる方でしたら意外とすらすら読めてしまうかもしれません。
ページ数も本文のみは204ページと決して長くない上、チャプターごとに完結しているので、「面白そうだな」と思えた方は是非!

freakonomics.jpg

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2006年06月18日

「日銀総裁」は英語で何?

昨日の朝、NHKのラジオのニュースでアメリカの The Wall Street Journal と The New York Times で福井総裁の村上ファンドへの投資を問題視する記事が掲載された、という報道がありました。

毎日メールで送られてくるニュース一覧に載っておらず、人気トップ10に入るのにもマイナー過ぎていたためすっかり見落としていたのですが、昨日ではなく、15日付の記事だったのですね。

というわけで、無料でアクセスできるのは来週の木曜日までということであまり時間が無いのですが、恒例のチャレンジです。

記事のタイトルは "Japan's Top Banker Owned Stake in Scandal-Hit Fund" です。
"to own a stake in something" という表現は若干なじみがないかもしれませんが、福井総裁が村上ファンドという "scandal-hit fund" に「投資していた」ということを言い換えているだけです。"stake" には色々な意味があるので、興味がある方は是非辞書を引いてみてください。

記事はこちら↓からもアクセスできますが、
http://www.nytimes.com/2006/06/15/business/worldbusiness/15bank.html?_r=1&oref=slogin
読む前に以下のことを考えておけば、あるいは記事をプリントアウトしてこの解説を参照しながらであれば、スムーズに理解できると思います。

まず、福井さんの地位は「日銀総裁」ですが、これは英語でなんと言うのでしょう。これは記事の中で何度も繰り返し出てきますので、比較的簡単に分かると思います。

また、福井総裁が答弁を求められたのは参院予算委員会です。この記事の中では参議院であることを明言せずに、「議会の金融系委員会」という表現を用いています。

さて、この情報が明るみに出た(revelation; disclosure)結果、生じたのが "uproar" (大騒ぎ)です。

問題となっているのは、福井氏が日銀総裁になった後も投資した金額を引き上げなかったこと "held onto the investment" ですよね。また日銀としては福井総裁はなんら法律に違反していない、と言っています。

もっとも、福井総裁は10年も続いたデフレから日本経済を立ち直らせた立役者です。この記事では日本の経済成長が四半期(quarter)で3.1%に達したことにも触れられていますが、これが先進諸国(developed world)の中で高いほうなのか低い方なのかを分かっていれば、自ずと "robust" の意味にも予想がつくでしょう。

また、他国の中央銀行のリーダーとの比較もされています。"unflattering comparison" と言われるのは、株への直接投資が制限されている他国のトップバンカーに比べて、福井総裁が決して良く見えないことを指しています。

ここではアメリカのFRB前議長のグリーンスパン氏が例として挙げられており、氏が投資を短期国債と譲渡性預金に限定していたことを指摘しています。

さて、日銀の投資対象を取り締まっているのは法律ではなく、「内規」ですよね。ここでは "ethics guidelines"という表現をはじめ、いくつか異なる言い回しが用いられています。

そして、やはりアメリカの記事であるゆえ、このニュースで一時期騒然となった「永田町」を「日本の "Capitol Hill" と説明していますね。

あと、福井総裁自信のコメントを思い出しましょう。ここでは "I have created a fuss," という風に訳して紹介されています。

また、「福井総裁 大切な信用が傷ついた」という朝日新聞の社説も紹介されています。このパラグラフを読んで、なぜ一般国民が怒りを感じているのかがあまりよく分からなかった方は、是非、この元記事を参照してください。

福井氏が投資を引き上げたことについては、これもまた二つの異なる表現が用いられています。探してみましょう。
なお、ここで「急いで」という意味で用いられている "scurry" ですが、単なる "hurry" と比較して「こそこそと」というニュアンスが加わっています。

最後に、福井氏がなぜこのファンドに投資したかについて、村上氏が "activist fund" では誰も投資してくれない、と言っていたからだ、ということですが、"activist fund" が何であるかご存じない方は、会社に対して "rock the boat" (ものごとをかき回す、ゆさぶりをかける)するファンドとは一体どんなものなのかを考えればイメージがつかめると思います。
posted by EnglishMaster at 18:11| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月16日

つなぎの言葉

今日は趣向を変えて本文を英語で書いてみました。
気が付いたらやたらと口語的(colloquial)な表現が多くなってしまったため、明日あたりにフレーズ解説か日本語版を追加するつもりです。

どの表現が分かりにくかったか、コメントをいただければ参考にしますので、よろしくお願いします。

ちなみに、以下の文章はいつもの日本語の文に比べるとかなりくだけた感じのものになっています。

Very often, students who get stuck while conversing will revert to Japanese, filling in those uncomfortable silences with words like "eh-to", or even worse "nandakke".

I think most students who do this can't help themselves, and will say "eh-to" even when they're speaking to someone who is obviously foreign. But when students say 「あれは何て言うんだっけ」and give me this look, as if to say "You understand me, don't you?" I get the feeling that they expect me to cut them some slack because I'm fluent in Japanese too.

I usually put my foot down when this happens, though, and demand that the students repeat the question in English.

Unfortunately, although I've always cracked down on students using the 「なんて言うんだっけ」approach, I've usually looked the other way when it came to relatively minor slips like "eh-to".
Recently, I've come to the realization that this isn't doing anyone any favors.

If you're talking to an English speaker in English, it can be downright rude to lapse into Japanese. The reason: because whomever you're speaking to won't be able to understand you, and this will make them uncomfortable. For all they know, you could be muttering some sort of curse to bring bad luck down on them and their progeny. 

So, to make up for all those times that I didn't correct my students, I'd like to use this opportunity to suggest some alternatives. The next time you can't remember a word and feel compelled to say 「えーと」, try to use one of the following:

"Uh..." (In British English, this is spelled "Er...")
"Hmmm..."
"Well..."
"Let's see..."

Of these three, I don't really recommend using the first one; although it is the most popular, you won't sound very bright if you repeat it too often. Think President Bush. On the other hand, if you manage to stick to "well..." and "let's see..." with the occasional "hmmm...," you'll manage to sound thoughtful and competent.

These expressions only buy time, though. If you're searching for the perfect expression, and are unsatisfied with what you come up with, you can say, "How do I say this?" This will indicate to your partner that you would like to be corrected, because you are not sure with your choice of words.

Let me give you an example:

A: "So what did you think of Japan's losing to Australia the other day?"
B: "Well, it was...how do I say this? I was unhappy."
A: "Oh, do you mean to say that it was upsetting?"
B: "Upsetting?"
A: "That means..."

You get the idea.

Or, if you're simply looking for a single word, you can ask, "What do you call..."

A: "What do you call the...what you use in skiing to keep your balance?" (gesturing)
B: "Do you mean poles?"

If you find this difficult, you can simply start off with "What do you call..." and then gesture wildly.

Of course, it's perfectly all right to use Japanese words in English conversation, as long as you make a conscious decision to do so. Things like Japanese food and uniquely Japanese concepts are often untranslatable anyway, and words like "tofu", "edamame", "giri", and "kaizen" are already acknowledged as having entered the lexicon.
But remember, you must always be prepared to follow through with an explanation in English!
posted by EnglishMaster at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

職業病

来る日も来る日も他人の英語を直す生活を送っていると、間違っている英語や明確ではない英語表現というものにものすごく敏感になってしまいます。
一種の職業病(occupational hazard)と言えるかもしれません。

これは何も100人100色シリーズに対する批判のように、日本人の書いた英語にのみ向けられるわけではありません。
ネイティブの間違いでも気になって仕方がないのです。しかも、出版物やニュースなど、ある程度権威のある媒体の間違いです。

例えば、この間見ていたCNNの特番。
キャスターの方が "could care less"(全く気にかける)というフレーズを口にするのを聞いた途端、「それは "couldn't care less"(全く気にかけない)の間違いでしょう」とツッコミを入れたくなってしまいました。(ちなみに内容は、パパラッチの写真を掲載する雑誌の場合、セレブへのアクセスが限定されても全然平気だ、というものでした)

あと、小説を読んでいてもミスプリ(typos)が異様に気になったりします。ハリーポッターの第三巻 "The Prisoner of Azkaban"のペーパーバック版で "with bated breath"(息を潜めて)が私が持っている版では "with baited breath"(息を釣られて)になっていることを発見し、びっくりしたことを覚えています。
(暇な人はチェックしてください。290ページのミスプリです)

これは何も私だけではないみたいです。同僚の中には「毎日 "The Wall Street Journal" で最低一つの間違えを見つけることを日課としてる」、と豪語している奇特な人もいます。

もっとも、今まで著者の英語力そのものに疑問を抱かせるような本はあまり読んだことがありませんでした。
Steve Berry 著の ""The Amber Room"" を読むまでは、です。

この本は本屋さんでの「ダン・ブラウンのファン必読!」というキャッチコピーに騙されて思わず買ってしまったのですが、完全に期待が外れてしまいました。
手の内を明かさないことで読者に期待感を抱かせる手法は確かにブラウンと同じなのですが、ダン・ブラウンの作品では最後で「なるほど!」と唸ってしまったのに対し、これは「はあ?」と拍子抜けてしまっただけでした。

それよりも問題なのが、著者の英語です。
まず、文法的に気付いたのは、この方はやたらと副詞(adverbs)を動詞(verbs)の前に置きたがるのですよね。

副詞は動詞の後に来るのが原則です。
e.g. "I quickly ran," ではなく"I ran quickly."

たまに諸々の理由でわざと副詞を動詞の前に配置することもありますが、これは例外に過ぎません。

なので、
"...she quickly discovered that she... insinctively possed the abilility...and she greatly enjoyed..."

のように副詞→動詞というコンビネーションが立て続けに並んでいるのを見たとき、ら抜き言葉の羅列を読まされたときのように眩暈さえしてきました。

また、この作家さんの場合、男性二人だけの会話であっても、たまに"" "his " "him" などの言葉がそれぞれ一体誰を指しているのか分からなくなってしまうことがあるのです。明確性(clarity)に欠けるのです。
Tom Wolfe は "I am Charlotte Simmons" にて丸々一ページ分続く文を書いていましたが、それでも読者として道に迷うことは決してなかったのとは大違いです。

いや、それどころか、たった二人の会話なのに、一体誰がその台詞をしゃべっているのかさえあやふやな場面があります。『ハリー・ポッター』シリーズでは一つの場面で6人以上の大人数で会話していても誰が話しているかが常に明らかであることを考えれば、本当に文章が下手である、としか言いようがありません。

買ってしまった私が言うのはおかしいかもしれませんが、どうしてこんな本がベストセラーになったのでしょうか?
posted by EnglishMaster at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月13日

愛国心

サッカーには大して興味の無い私ですが、(野球派です!)ささやかな愛国心から今夜のオーストラリア戦を見るためにテレビをつけてみました。
しかし、全くの門外漢でも日本の戦い方が下手に見えて仕方がありませんでした。なぜオーストラリアゴールの前に誰も待機していないんだ!と叫びたくなってしまうことが何度も。後半、オーストラリアに追いつかれてからは見る気をすっかりなくしてしまい、チャンネルを変えてしまいました。

ところで、昨今話題を呼んでいるこの「愛国心」(patriotism)という言葉、皆さんはどんなイメージを持っておられますか?
いや、それよりも、これを学校で教える必要があると思いますか?

私は、これは学校で教えるものではない、と思います。
そればかりか、これを提唱している人々の筆頭に立っている小泉さんには本物の愛国心が欠けている、と思います。

このように考えるのに至ったのには、先月のレッスンでのある生徒さんの質問がきっかけでした。

ちょうどその日のレッスンの範囲に当たるテキストに "patriot" という言葉が出ていたため、その方に「この言葉の意味はご存知ですか?」と聞いたのです。
すると「自分の国を愛する人です」とすらすらと答えられたので、少し突っ込んだ話にも耐えられるだろうな、と思い、「では、あなたは patriot ですか?」と尋ねてみました。

(この質問はアメリカ人に向かっては絶対にするものではないと思います。なぜなら幼い頃から毎朝国旗に忠誠を誓っている彼らからすれば、「Patriot に決まっているだろう!」と怒り出す人が9割ぐらいでしょう)

その生徒さんは首を傾げながら「いや、違うと思います」と言ったのです。
「なぜですか?」と聞き返すと、「日本には色々と悪い面もあるから」と仰いました。
「いえ、良い面と悪い面を両方しっかりと見据えて、より良い方向に持って行きたいと思う人こそ愛国者だと思いますよ」と切り返すと、納得したような顔をされていました。
しかし、次の瞬間、いきなり、

"Do you think Prime Minister Koizumi is a patriot?" と聞いてきたのです。

この質問にはびっくりしてしまいましたが、一瞬考えた末、「違うと思います」と答えると、すかさず「なぜですか?」と聞いてきました。
内心、さすがだな、と感心しながら「小泉首相は靖国神社参拝によって大分国の対外的評価を貶めましたよね。そのような対外的評価を低めるような行為をする人は愛国者とは呼べないと思います」と意見を述べると、「僕も同感です」とのことでした。

その場で咄嗟に考えた説明にあっさり同意されて少々拍子抜けてしまったため、「では、歴代首相の中で、真の愛国者と言えるのは誰だと思いますか?」と質問を返すと、しばらく考えて「ミスター・ミヤザワは真の愛国者だと思います」と答えが返ってきました。これにも驚かされました。私も誰かを挙げろ、と言われたら真っ先に宮澤さんの名前を挙げただろう、と思ったからです。

実は私は4月の日経に掲載されていた宮澤さんの『私の履歴書』を読むまでは大して彼を評価していなかったのですが、あのコラムでは彼の世界の中での日本の立場を少しでも良くし、少しでも評価を高めよう、という姿勢がひしひしと伝わり、かなり感動したのです。
また以前、小泉さんの英語力で、「歴代の首相でただひとり
orthodoxな英語を話せるのは宮澤元首相だけです」というコメントを頂きましたが、なるほど、この人の英語力は本物だろう、とも思わされました。

大分話が逸れてしまいましたが、宮澤さんのようなある意味健全な人が持ち出す「愛国心」論ならまだしも、小泉首相や石原都知事のような自己中心的な考えの持ち主が担ぎ出した「愛国心」はロクなものではないような気がしてしまうのです。


健全な批判精神と国際感覚を有してこそ本物の愛国心の持ち主だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?
posted by EnglishMaster at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月12日

ご報告

大分報告が遅れてしまいましたが、本年度受験した旧司法試験は択一の段階で玉砕してしまいました。

心温かい応援をいただいた方には、改めてお礼を申し上げます。

しばらく落ち込んでいましたが、ここではひとまず法律の勉強は忘れて、他のことに打ち込んでみたいと考えております。
妹が国際的な英語教育資格であるCELTAの取得コースをプラハで一緒に受けよう、と誘ってくれているので(一ヶ月間休暇を取らなければならないので、まだ上司のOKが取れていませんが)かなりこちらに心が傾いています。

また、通訳・翻訳稼業にももっと力を入れて行きたいな、と考えています。
実はこの方面ではささやかな夢があります。
日本のジョン・グリシャムを標榜している、中嶋博行先生の小説を英訳する権利を手に入れることです。まだ英訳は出ていないみたいなのですが、リーガル・サスペンスが大好きなアメリカでは絶対売れるような気がするのです。(個人的に好きだというのも大きいですが)

以上、大分とりとめのないものになってしまいましたが、簡単に報告とお礼とさせていただきます。
posted by EnglishMaster at 23:09| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月03日

Confident English skills とは?

またまた「100人100色」へのツッコミです。

なぜだか分からないのですが、ここの広告の英語は、首を傾げてみたくなってしまうような表現が満載されています。それも一つの狙いなのでしょうか?

さて、今朝仕事に行く途中に発見した今回のネタは

There are two things
you'll probably want to take on a trip abroad:
your passport and your confident English skills.

というものです。(原文の日本語の方は写し忘れてしまいました)

これはあくまでもセンスの問題かもしれませんが、私だったら多分"English skills" を形容するのに "confident" を使わないと思いますね。

ご存知の通り、"confident" とは「自信に満ちた」「自信ありげな」という意味があります。
「自信ありげな英語」(confident English)ならまだしも、「自信ありげな英語力」(confident English skills)はアリだと思いますか?
これはあくまでも日本語から訳した場合ですが、私にはなんとなく日本語の段階からして論理的に辻褄が合わないような気がしてなりません。(この一連の広告の特徴ですね)

"Confident" を使うのは "A confident English speaker" や "a confident teacher" のように何らかの形で「人」を形容する場合や、"a confident air" "a confident voice" など「人の属性」を形容するとき、あるいは "a confident stride" や "a confident answer" "a confident feelingなどのように所作や気持ちを表現するときに用いるのが一番自然であるような気がします。

あとは、重箱の隅をつつくようですが、このような状況において "a trip abroad" のように不定冠詞(indefinite article)を使う必然性が見出せません。「あらゆる海外旅行」という意味を持たせる "any trip abroad" や「あなたの行く海外旅行」を強調して "your trips abroad" という風に表現した方がスマートでナチュラルな感じになるのではないでしょうか。

というわけで、私であれば、以下のように書き換えます。

There are two things
you'll probably want with you when you travel abroad:
your passport and confidence in your English skills.



posted by EnglishMaster at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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