2006年05月04日

revise vs. amend

いきなりですが、皆さん、昨日は何の日だったか、ご存知ですか?

GWのうちの休日の一つに過ぎない、なんて悲しいことは言わないで下さいね (^^;
憲法記念日(Constitution Day)だったのです。
ちょうど49年前の5月3日に現行の日本国憲法が施行された(went into effect)のでした。

でも、イマイチ盛り上がりに欠けましたね。

私がアメリカの小学校に通った頃、ちょうどアメリカの憲法制定200周年にあたり、「憲法の前文(preamble)を暗記して、自分も署名しよう!」という学校ぐるみのプロジェクトなどがあり、米国民ではない私も暗記して署名しました。(今でも暗誦できると思います)
今年の11月に日本での憲法公布50周年を記念するにあたり、そういう取り組みをする小学校が日本にいくつあるのか、疑問です。

本題に入りましょう。
今、日本では憲法を改正(revise)しようという動きが活発ですよね。
この revise という言葉、リーダーズなどの英和辞典によると「訂正[修正、改訂]」と定義されていて、同じく「修正」として定義されている amend とよく混同して使われているみたいです。

でも、この二つの言葉は全然意味が違います。

参考のために、比較的平易な Longman's の定義を紹介すると

revise: to change a piece of writing by adding new information, making improvements, or correcting mistakes

amend: to make small changes or improvements to a law or document


となっています。
つまり、amend はあくまでも「小さな修正」に過ぎないのです。
あるいはamendments をいくつも重ねたら revision になる、というイメージでも良いかと思います。

上司に「プロジェクトの計画がそれではなっていないから練り直せ」と言われたら色々と抜本的に直す箇所があるゆえ "My boss told me to revise the project plan," になるでしょうし、今月の会社法の施行で会社の定款(Articles of Incorporation)が変更されたのであれば、それも単なる amendment の範囲を超えた revision でしょうね。

で、話を憲法に戻すと、実は日本に「憲法を改正しろ!」とプレッシャーをかけているアメリカでは憲法が制定されてからの200余年、一度も revise されていません。
と言うと語弊があるかも知れませんが、基本的には本文は1787年の制定時のままで手をつけずに残されており、一気に何箇所も書き直すようなことはされていないのです。

それでどう時代の変化に対応してきたかと言うと、修正条項(amendments)というのをどんどん末尾にくっつけていっただけなのですよね。
例えば、南北戦争が終わった1865年には奴隷制(slavery)を廃止(abolish)する修正第13条(Thirteenth Amendment)が附加されています。

(もちろん、今では27箇条にのぼるこの amendments によって本文の一部の効力が失われたり変更されたり、ということはあるのですが、基本的には一度に一条ずつしか提案・追加されていませんし、変更されて効力を失った条文も形式的には残してあります)

さて、この修正箇条のうち、特に有名なのが最初の10箇条であり、まとめて『権利章典』(Bill of Rights)と呼ばれています。

実は憲法を制定するに当たるために集まった代表者は国の仕組みを作り上げることにばかり注意が行ってしまい、いざ憲法が出来上がった時に「肝心の人権保障規定がない!」ということで、大慌てでこの Bill of Rights なるものをくっつけたのです。

でも、さすがアメリカ、字を読めないような犯罪者であっても、権利章典の内容は知っています。
なので、どんなチンピラでも警察に捕まった人は "I'm taking the Fifth," (俺は[修正]第5条[によって保障されている黙秘権]を行使するんだ)と主張し、決して自白などしません。

黙秘権(the right to remain silent)はもちろん日本国憲法でも保障されていますが、ぱっと条文が出てくる人は少ないでしょうね。
そして堀江さんみたいに実際に黙秘権を行使して黙り込んでいるとマスコミに非難される、というのは一体どういうことなんだろう、と考えてしまいます。

憲法改正の議論をする前に、ちゃんと憲法の中身を理解することの方が先なのではないでしょうか。

そこで、大分脱線してしまいましたが、少しでも憲法に興味を持っていただけたなら、是非日本国憲法の英語版に目を通して頂きたいと思います。
(例えば9条改正の是非を英語で議論したいなら、条文の文言を英語で知っておかないと話になりませんでしょう?)

そしてついでに、万が一警察に逮捕されてしまったときに備えて、黙秘権(日本国憲法では「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」という文言が用いられています)が何条によって保障されているかを確認しておければいいかもしれませんね (^^)
posted by EnglishMaster at 22:37| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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