2006年04月06日

主体的に考える、ということ

すでにご存知の読者の方もいらっしゃるかと思いますが、私は実は今この仕事と並行して、現行司法試験(bar exam)(ロー・スクールを経ないもの)の受験勉強もやっています。

一時期は半ば現実逃避モードに入り、勉強はそっちのけでこのブログにもやたらと力を入れていた、というわけなのですが、さすがに今年こそは受かりたいと思い、今週頭に仕事を3日間休んでまでも択一試験の本試験で確実に点を取るためのゼミを受講することにしました。
(ご迷惑をおかけしてしまった生徒さんもいらっしゃったので、その点については本当に申し訳ないと思っていますが)

さて、そこで気付かされたのは、今までいかに過去問を解くときに頭を使っていなかったのか、という事実です。
一応ちゃんとこなして解答を得ていたのたことは得ていたのですが、その解き方はかなり受身(passive)だったのです。
つまり、書いてある順番に素直に選択肢を検討するなり穴埋めをしてゆき、正解すればそこで終わり、間違えればどこを間違えたかを反省する、というだけのことで、出題者の意図などまるで考えたこともなかったのです。

しかし、出題者はなぜこの問題形式にしたのだろう、なぜここでヒントを書いてくれているのだろう、何か手っ取り早い近道はないだろうか、と考え出した途端、今まで4分以上かかっていた問題がものの数十秒で解けてしまうこともあるのです。
これには愕然とするとともに、猛反省をしました。
今は問題を目にすると、まずどうやって料理しようか、何か上手い抜け道はないだろうか、と考えるのが楽しくて仕方がありません。

ただ与えられたものをこなすだけではなく、自分で主体的に考えることがいかに大事なことなのかを改めて痛感させられました。

そして同時に気付かされたのは、この原理が実は英語の学習にも通じる、ということなのです。

テキストを見たとき、そこに書かれていることには疑問を持たずに素直にそれの丸暗記にかかる方も多数いらっしゃいます。それができる方ならそれでも結構だと思います。
しかし、そこでなぜこの表現を使っているのだろう、なぜこの時制を使っているのだろう、と少し考える余裕があり、それを具体的な質問の形にすることができれば、理解度が飛躍的に増すことは確実です。
そして、実際、伸びている生徒さんは質問が得意です。
特に学習意欲が高い方だと訂正されるたびに「なぜさっきの自分の表現ではいけないのか?」と追求してきます。
これは答えるのがかなり困難な場合もありますが、それでも教える側としてはかなり嬉しいことです。
(もちろん、これもやりすぎると流暢性に支障を来すことがありうるため、何事もほどほどに、ということですが)

さて、ここで少し自己点検をしてみましょう。
皆さんはテキストと向かい合うとき、自分の頭で考えようとしていますか?
先生に直されて納得が行かないとき、素直に疑問を口にできていますか?(もちろん中には訂正の仕方が上手くて、これが全く不要という先生もいらっしゃいますが)
先生、あるいはクラスメートが何かの話をしているとき(先週ディナーに行ったレストランについて、のようなものでも)、話の内容について質問をしていますか?

この3つにYesと答えられたら、かなり自信を持っていただいて結構です。

実は現在、出張レッスンという形式で何人かの生徒さんを固定で教えていますが、皆さん質問が活発であるため、非常に教えやすいです。
特にレベル2のとある生徒さんは、一番最初のレッスンで「何でも良いので私に10個質問をしてください」との課題にかなりうろたえていたのに対し、今ではテキストの内容について「質問を作ってください」と言えばスラスラと出てきますし、私が何気ない日常の話をしても今では色々と突っ込んだ質問をしてきます。本人が気付かれているかどうかは分かりませんが、こういうときに「ああ、上達したな」と実感するものです。
(もちろん、この上達もひとえにその生徒さん自身の熱意と努力の賜物である、ということは言うまでもありません)


さて、主体的に考えなければならない、というのは教える側にも言えることです。
私のように大手のスクールで教える場合ですと、教材が決まっており、教材に対するマニュアルも用意されているので、ある意味受身的に教えることも可能です。(そして残念ながら、受身的に教えている先生がいらっしゃることも事実です)
しかし、なぜこのレベルでこの文法を勉強するのか、なぜこのチャプターのこの部分でこのようなロールプレイがあるのか、と自分で考えると、いろいろと生徒さんのニーズに合わせた工夫をする余地が見えてきます。

一例を挙げればレベルごとの目標設定です。
一応今使っている教材には「このレベルを終了すればこなせる課題」がリストアップされていますが、3年以上同じ教材で教えた結果、私は以下のように目標設定を再構築しています。全部は公表しませんが、大雑把には

レベル1:単純な質問に答える力
レベル2:自分から積極的に質問する力
レベル3:第三者の話を伝え、質問に対する答えには必ず理由を付け加える力
レベル4:質問に答えるだけでなく、自ら新しい話題を提供し、また理由はできるだけ二つ以上つける力

という感じでしょうか。
こう考えれば、例えばレベル2の教材を使いながらもその生徒さんに余裕があればその上のレベルのスキルの練習もできる、というわけです。
これは楽しいです。

で、仕事が楽しいのはやっぱり主体的に考えられているからだな、と。まるで循環論法ですね。
posted by EnglishMaster at 02:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。