2006年03月18日

Baseball challenge

木曜日、最近のニュースについて語るというレッスンの中でメキシコがアメリカに勝ったという話題で生徒さんとひとしきり盛り上がった後、話はまたもや「疑惑の判定」(disputed call)を下した Davidson 審判(umpire)と日米戦に移りました。

そのとき、彼女は日本がサヨナラ負けしたことを説明したくて、9回裏(the bottom of the ninth)で攻めていたアメリカが日本にリードしたため、そこでスリーアウトを待たずして試合が終わったという風になかなか上手く説明したのですが、「これを英語でどういうのですか?」と聞かれた時にどうしてもその場で答えが出てこなかったのです。サルも木から落ちる、ということでしょうか。(次にいらっしゃる時までに手紙でフォローをしておかなければなりません)

ちなみに、「サヨナラ負け」に該当する英語はありません。「サヨナラ勝ち」にもっとも近いのが「決定打」を意味する "winning run"。でも日本語の「サヨナラ勝ち」にあるような、勝利をさらって走り去っていくような快感さにはちょっと欠けますね。

そこで思いついたベースボール・チャレンジ。
ホリエモンの起訴の時と同様、NYTの記事から出題しますので、興味のある方はhttp://www.nytimes.com/2006/03/17/sports/sportsspecial/17usa.html
にアクセスして参考にしてください。
これはアメリカがメキシコに敗れた試合を報じたものです。

では出題です。
以下の日本語を英語でどう言うか、もしくは記事の中でどう表現されているかを探し当ててください。

楽勝
二次予選
準決勝
(出場)枠
失点(もしくは打点)
守備イニング
先攻・後攻
(準決勝に)進む
盛り返す
ゴロ
一塁打(もしくは一塁打を打つこと)
二塁打(もしくは二塁打を打つこと)
犠牲バント(を打つ)
屈服する


最後になりますが、日本のマスコミでしきりに用いられている「タナボタ」、つまり「棚からぼたもち」についてです。英語では期せずして幸運がころがりんだ場合、"to fall/drop into [someone's] lap" と言います。棚から落ちてくる場合と、膝に直接落ちる場合とでは、なんとなく後者のほうが生々しい感じがしません?
posted by EnglishMaster at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

英訳の極意

先日、アメリカ人の友人に和文英訳を手伝って欲しい、と頼まれました。

どうせ直訳しても良いものができないから、単語の意味さえ教えてくれれば自分で勝手に書き直す、と言われたため、それなら簡単にできると思い、仕事が始まる前の5分くらいで携帯に転送された原文をみながら大体の意味を教えてあげました。

次の日、できたから見てくれ、と頼まれて原稿をメールで受け取ったのですが、どう見ても「これがネイティブ・スピーカーが書いたものだろうか?」と首を傾げさせられるようなぎこちないものだったのです。
いくつか改善できそうな点を指摘して、大いに喜んでもらえたのですが、その中の一文だけがどういじっても妙に入り組んで意味の分かりにくい、不自然な文章のままだったのです。

これは原文がかなり長く、複雑だったので仕方が無いのか、とあきらめかけていたところ、ふと原文を確認していないことに気づきました。そして携帯を取り出して原文をもう一度見たところ、途中で切れたものしかなかったにもかかわらず、それだけで問題点がすぐに分かりました。

日本語では文、または節の最も重要なポイントはその文乃至節の最後に来るのに対し、英語ではポイントが冒頭に来ます。彼は原文の内容を節単位で教えてもらい、それらの節を原文の順序どおりに並べて文章を作ろうとしたため、無理が生じてしまったのです。

これは日常会話レベルのわりあい単純な文章ではそれほど問題が起きません。
例えば、拙文で恐縮ですが、以前このブログで書いた『ボンド流の自己紹介』の一節を英訳してみましょう。

そして、連想したのが映画 『007』シリーズでおなじみのジェームズ・ボンドです。
彼も自己紹介の時には必ず苗字からスタートし、次にフル・ネームを言いますが、これは彼の「あくまでもフォーマルな関係を保ちたいので "Mr. Bond" と呼んでくれ」という意思表示です。そして、フル・ネームをその後に続けることによって混乱を避け、相手にファースト・ネームで呼びかけるきっかけも与えています。

This made me think of James Bond, the popular hero of the "007" movie series.
When he introduces himself, he also starts with his last name, then follows it up with his full name, but this is his way of saying "I want our relationship to remain formal, so I'd prefer to be called 'Mr. Bond.'" And by follwing that up with his full name, he avoids confusing the other person while at the same time providing an opportunity to perhaps use his first name (in the future).


細かいところは変えてありますが、カンマで区切られた節単位で見れば大体順番が対応していることが読み取れると思います。



これに対し、特に推敲を重ねた凝った文章であれば、違いが歴然としています。
(ちなみに冒頭に紹介した文章はコピーライターが書いたものだったのでかなり凝っていました)

そこで著作権を気にしなくて良い、格調高く複雑な文ということで、憲法の条文を見てみましょう。(ここで掲載しているのは公式の訳文です)

第33条 何人も現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ逮捕されない

Article 33. No person shall be apprehended except upon warrant issued by a competent judicial officer which specifies the offense with which the person is charged, unless he is apprehended, the offense being committed.


分かりやすいように対応する箇所を同じ色にしたのですが、大分順序が入れ替わっているのが分かりますよね?

ここでは極端な例として法令を挙げましたが、日常会話から一歩進んでプレゼンテーションやスピーチの原稿など複雑な英文を書こうという場合には、ただ思いつくままにフレーズをつなげて行けば良いのではなく、まず「何を伝えたいか」を考え、それを前に持ってきて強調するようにしなければ通じないのです。
例えば、この条文の場合には「令状逮捕の原則と例外」という主題が英文では冒頭にはっきりと打ち出されています。

もっとプロフェッショナルな英語をしゃべれるようになりたい、と考えるのであれば、是非英語に直す前に一旦要約する習慣をつけてみましょう。
posted by EnglishMaster at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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